【マイルCS・レース回顧】ソウルラッシュ団野大成文句なしの好騎乗 「一番のデキ」ナミュールに何が起きた?
[GⅠマイルCS=2024年11月17日(日曜)3歳上、京都競馬場、芝外1600メートル] 【渡辺薫&柏木集保 私たちはこう見た】 渡辺 1~4番人気はオッズも競っていたように混戦と思われたが…。終わってみればソウルラッシュが鞍上から早めにガッツポーツも飛び出すほどの完勝。1分32秒0と時計も合格点だし、2馬身半差は他とはちょっと力が違った印象だ。 柏木 インが悪い馬場状態で13番枠も良かったですし、道中のコース取りも文句なしでした。このところ若手騎手は不祥事ばかり。GⅠを勝つのは外国人ばかりでしたが、団野くんが好騎乗で結果を出したことは喜ばしいですね。 渡辺 鞍上と対照的に馬は6歳のベテランだ。去年のこのレースが2着、春の安田記念が3着と下地はあったにせよ、ここにきてグングンと強くなってきた。こういう叩き上げタイプは最近では珍しい。 柏木 1歳年下のセリフォスには、最初の対戦だった2022年の安田記念(4着対13着)から4戦連続で先着を許していましたが、昨年のマイルCS(2着対8着)からはこれで6戦連続で先着です。成長力の差が結果に出たといえます。 渡辺 エルトンバローズは昨年の4着馬。もともと千八を主戦場としているだけに、粘着力で2着争いを制した。 柏木 この馬も西村淳騎手、3着ウインマーベルも松山騎手と、やはり若い日本人騎手が意地を見せました。ウインは経験のないマイルで人気はひと息でしたが、千四の内容からすれば克服の可能性は十分にありました。 渡辺 最終的に1番人気に支持されたブレイディヴェーグは4着まで。いったんポジションを下げる場面があったのが悔やまれるな。すんなり流れに乗っていれば2着はあった。 柏木 内枠から上位に来たのはこの馬だけです。直線では外に出せましたが、時すでに遅しでした。ただ、マイル戦そのものは問題なかったですし、評価を下げる必要はまったくありません。 渡辺 イギリスから参戦のチャリンは前半でモタついたのが痛かった。体形を見ると切れるタイプには見えなかったが、1分32秒4のタイムで走れたのは立派だ。やはり能力は高い。 柏木 ヨーロッパの馬は基本的にゲートの出は下手ですね。すんなり追走できていたら際どかったでしょう。上位勢を順番通りに当てるのは難しかったですが、終わってみれば能力のある馬が掲示板を占めました。 渡辺 ただ1頭、期待を裏切ってしまったのがナミュール。入線後にC・デムーロが下馬。何もないといいんだが…。 柏木 馬体はピカピカに輝いてパドックのデキは一番に映りました。状態が良いからこそ、途中から行きたがってしまったことも敗因のひとつかもしれません。
東スポ競馬編集部