山下（中央）が今季初優勝。ファンと喜び合った（撮影・高橋朋彦）

富士通レディス最終日（13日、千葉・東急セブンハンドレッドC＝6697ヤード、パー72）2年連続年間女王の山下美夢有（23）＝加賀電子＝が、通算14アンダーで並んだ古江彩佳（24）＝富士通＝とのプレーオフを2ホール目で制し、今季初優勝を果たした。首位と2打差の6位から66と伸ばした。通算12勝目。4位で出た馬場咲希（19）＝サントリー＝は18番（パー4）で「8」をたたき、国内プロデビュー戦は通算8アンダーの14位に終わった。 やっと勝った。3月の開幕戦から31試合目。出場19試合目で今季初Vを手にした山下の優勝会見は、満面の笑みの「お待たせしました！」から始まった。 残り94ヤードの3打目をピン横1メートルにつけた1番（パー5）のバーディーで幕を開けた猛チャージで、今年の海外メジャー「エビアン選手権」覇者の古江に追いついた。18番（パー4）でのプレーオフは、2ホール目のパーで決着。2年連続の年間女王を決めた昨季最終戦以来の頂点に「優勝はやっぱり最高。それしかないですね」。ウイニングパットを沈めた瞬間は、熱いものも込み上げてきた。 今季はここまで7度の2位など、間近で勝者をたたえてきた。平均ストロークは70を切って69台、平均パット数、パーセーブ率、リカバリー率など部門別成績は軒並み1位。だが、勝てなかった。「でも、勝てないとは思っていなかった。しっかり勝つという気持ちで取り組んできたので、すごくうれしい」。 絶対女王ゆえの悩みも、絶対女王のプライドで乗り越えての初優勝。12月に来季の米ツアー出場資格を争う最終予選会に初めて挑戦する23歳は「残り試合もしっかり上位を目指して頑張りたい」と力を込めた。 グッドルーザーの称号は返上した。今季残り6試合で、ポイントランキングは竹田麗央に次ぐ2位。3年連続の女王を目指し、ラストスパートに入る。（臼杵孝志）