【40代、50代・どうする?眼瞼下垂⑥/眼瞼下垂手術の体験レポート】前編~まぶたが重い! 目が開かない!からの脱却
順序は逆になるが、高田先生に手術をしてもらった直後の写真だ。唯一のツーショット
多くの人が当てはまる可能性のある「隠れ眼瞼下垂」とは?
そんなとき、タイミングよく眼瞼下垂をテーマにした記事を作る機会がやって来た。 待ってましたと高田先生に取材を申し込み、お話を聞いたついでに、自分の症状についても質問すると…「隠れ眼瞼下垂症」とのこと。 隠れ眼瞼下垂? 聞いたことがない症状だ(後からわかったことだが、ネーミングしたのは高田先生だそう)。 それは、いわば「眼瞼下垂の代償期」といえる。 具体的には、腱膜が緩んできたばかりだったり、外れかけているような状態。眼瞼下垂が軽度の場合は、ミュラー筋や前頭筋などがまぶたの開閉をバックアップしてくれるため、なんとか正常な開瞼ができているように見える。 実際は目の開きが悪くなっているのに、パッと見た目にはわからない。でも本人はもうまぶたの力が弱くなり、眉の力で目を開いて見ていたり、おでこの力を使って目を開けている状態なのだ。 素人目には眼瞼下垂には見えないけれど、専門家が診れば、おでこの力を抜いたふとした瞬間に、まぶたの縁が瞳孔にかかってしまっていることがわかるようだった。
長年おでこに力を入れて目を開けていたせいで(本人はそのつもりなし)、おでこにはもはや深いシワ! 右目には「サンケン・アイ」と呼ばれる引きつれたようなシワがくっきり入り、しかも二重がよれてしまっていた。 「人の体はよくできていて、上まぶたの筋肉が衰えてまぶたが上がらなくなったとしても、カバーする機能があります。 おでこの筋肉を使って眉を上げることで、まぶたの働きを助け、一見して眼瞼下垂ではないような状態に見えるんですよ。 これが眼瞼下垂の代償期、隠れ眼瞼下垂です。眼瞼下垂に伴う症状、肩こり、頭痛、眼精疲労などは、この代償の働き、おでこにある前頭筋の過緊張によって引き起こされるものなんです。 医療機関で眼瞼下垂ではないと診断される人もいますが、私は眼瞼下垂手術を行うかどうかを考えるうえでは、この代償を考慮した診断が大事だと思っています。 当院では眼瞼下垂が軽度であっても、特有の症状に悩まされていて、それが眼瞼下垂手術により改善される見込みがあるのであれば、保険適用の手術対象としています。 ただ、手術は最終手段ですから、術前の診察や説明をきちんと理解したうえで選択すべきでしょう」と高田先生。