ホンダ新型「アコード」に乗って感じたのは万人受けする走りと運転のしやすさ、セダン不況を打開できるのか
本田技研工業(以下、ホンダ)の新型ミドルサイズ4ドアセダン「アコード」の乗り味をひと言で表現するならば、「誰もが安心して乗れるクルマ」ではないだろうか。2024年3月中旬に開催された報道関係者向け公道試乗会に参加し、試乗してみた印象だ。 【写真で見る】ついに正式発売、新型アコードを全方位解説。スタイリングからインテリア、カスタマイズ仕様までチェック! ■新型アコードの進化点 ホンダの国内フラッグシップとなる最新の11代目モデルは、独自の2モーター式ハイブリッドシステム「e:HEV(イーエイチイーブイ)」を進化させるとともに、最新の安全運転支援システム「ホンダセンシング360(Honda SENSING 360)」を国内ホンダ車に初搭載したなど、数々の先進技術を投入することが特徴。それらにより、ワインディングなどではスポーティな走りを堪能できる一方、高速道路では極めてラグジュアリーなクルージングを味わえる。
また、市街地では、モーターのみで駆動するEV走行の対応速度も拡大し、より静かな走りも実現する。しかも、そうした多様なシーンのすべてで、ドライバーはもちろん、助手席や後席も含めた乗員すべてが、ストレスを感じにくく、まるで居心地のいいリビングにいるような快適さを持つ。そして、それら特性により、このモデルは、幅広いユーザーへ安心感を与える「いいクルマ」に仕上がっていると実感した。 では、実際、アコードのどんな点において、筆者がそうした印象を持ったのか。箱根周辺のワインディングや高速道路、市街地など約90kmを走った試乗記を紹介しよう。
■新型アコードの概要と変更点 2024年3月8日に発売を開始した新型アコードは、1976年に登場した初代モデル以来、日本をはじめ、北米など海外でも根強く支持されているロングセラーモデルの最新版だ。50年近い歴史のなかで、熟成を重ねてきた新型4ドアセダンの主な変更点は、まず、外観に力強いノーズと伸びやかで流麗なシルエットを採用。ホイールベースや全高は先代の10代目アコードを踏襲しつつ、全長を75mm、リアトレッドを10mmそれぞれ延長。さらにロー&ワイドでスポーティなフォルムを持たせつつも、より安定した雰囲気を演出している。