横山奈美の個展「広い空に / Big Sky Mind」がN&A Art SITEで開催へ
東京・中目黒のN&A Art SITEで、南條史生による企画展シリーズ「NANJO SELECTION」の第4弾として、横山奈美 (1986~)の個展「広い空に / Big Sky Mind」が開催される。会期は5月31日~6月29日。 横山は、消費され捨てられる物に光を当て、それを精緻に描く「最初の物体」シリーズや、自身でデザインしたネオン管をモチーフに、ガラス管や背後に存在する配電線、フレームまで描く「ネオン」シリーズなどの絵画作品で注目を集める作家だ。近年では、個展の開催に加えて、「VOCA展2023」(上野の森美術館)や「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」(森美術館)といったグループ展にも参加するなど、精力的な活動を行っている。 本展では、横山の友人や知人など様々な人が筆記した文字をネオン管にし、それを克明に描く「Shape of Your Words」シリーズから「Sky」という言葉をモチーフとする新作絵画が約10点展示される。 横山は次のようにステートメントを寄せている。 2年ほど前から、自分の周りにいる人や旅先で出会った人々に「LOVE」や「HISTORY」といった言葉を紙に書いてもらい、それをネオン管で忠実に再現し、それを見て描くことで絵画を制作してきました。扱う言葉は、あえて視覚的に捉えにくいものを選んできました。言葉の形をした光を放つネオン管と、その光が反射する配電線やフレームを描くことで、見えないものを見えるように、個々の言葉を確かな存在として目の前に表したかったからです。 今回の展示では、「Sky」という、誰もが一度は見上げたことがあるであろう言葉に焦点を当て、私の周りにいる10名の様々な背景を持つ人たちに書いてもらいました。この制作のきっかけは、目で見るものが自分にとっては当たり前だとしても、他者にとっては全く異なる景色に見えていると感じたことです。私たちの考え方や価値観は、生きてきた場所や社会、環境によって形成されます。それにより、同じ空を見上げていても、同じ物事について考えていたとしても、私たちそれぞれの目に映る景色や思考は異なっているのではないか。そのような私たちが持つそれぞれの違いをどのようにしたら共有できるのか。この作品では、誰のものでもなく遠くまで広がる空ではなく、誰かの中に存在する個人的な空を描いています。 横山奈美 (プレスリリースより抜粋)