「これでもかと出てくる異常性」“おねだりモンスター”斎藤元彦知事を生み出した裏事情
「よくこれで県政が回っていたな」
例えば、どういう点か。 「“おねだり”と問題視されていますが、知事が視察に行くと、その場で特産品を食べさせてくれるほか、必ずお土産を持たせてくれるんです。知事の活動にはマスコミがついてきますから、その場で食べると宣伝になる。帰ってから“これ、おいしいですね”とは言いません。視察先で試食したり、興味を示したりすることが宣伝なんです。私のときはこっちが断りたいぐらい持ってきてくださるのが普通でしたから。おねだりしないと、もらえない状況があったことに驚いています」(舛添氏、以下同) パワハラ疑惑についても、知事を支援する官僚の仕事が不十分だった可能性があると続ける。 「決して斎藤知事を擁護するわけではないですが、私は兵庫県の官僚組織がおかしいと感じます。知事を怒鳴らせないよう仕事をさせるのが、官僚の仕事のはず。私が厚労相をやったときに年金に関する大問題が発覚しましたけど、誰が悪いんだ!とやっている暇はなかったですよ。一つひとつ怒っていたら、仕事が回りませんから。正直、よくこれで県政が回っていたなと不思議なくらいです」 斎藤知事は、勤務時間外に行った職員への連絡について「報告、連絡、相談をしっかりやってほしかった」と弁明している。 「告発者捜しを行ったのも副知事以下の幹部ですが、みんなすでに退職しています。百条委員会には、片山前副知事しか出ていません。残って答弁しているだけ、斎藤知事がマシなような気もします。疑惑は法と真実によって判断されるべきだと考えます」 舛添氏も、政治資金問題で批判を浴びたが、なかなか辞職をしなかった。なぜか。 「私もいろいろ報道されましたが、半分ほどはでっちあげ。そんなことで都知事を辞める気はありませんでした。ただ、参院選が間近に迫っており、私の影響で自民党の票を減らすのは悪いと思ったから辞めたのです。“まだ辞めないのか”という言い方もおかしい。それなら何千万円と裏金をもらっていたのに辞めていない自民党の議員を、なぜ追及しないのか。私にしてみれば、それが疑問でなりません」 周囲がモンスターをつくり出してしまったのか─。