来季はJ1最大20チーム?!なぜJリーグは昇格あり降格なしの新方式を決断したのか
世界中で脅威が蔓延している新型コロナウイルス禍に直面し、先月下旬から公式戦開催を中断・延期しているJリーグが、今シーズン限定でリーグ戦の実施方式を大きく変えることを決めた。 最終的な順位によってJ1からJ2、J2からJ3へ複数のクラブが降格する制度を廃止。J2からJ1、J3からJ2へは通常通り昇格する制度を継続することが、19日にウェブ会議方式で臨時開催された、J3までを含めた全56クラブの代表取締役社長らで構成される実行委員会で承認された。 Jリーグの最高議決機関は理事会となる。しかし、今月17日に開催された直近の理事会で競技運営ルールに関しては、実行委員会における承認事項が理事会の議決事項と同じ位置づけになることが承認されていた。臨時実行委員会終了後にオンライン形式で行われたメディアブリーフィングで、Jリーグの村井満チェアマン(60)が異例の方式で再開後のシーズンに臨むことを明らかにした。 昨シーズンを例にあげれば、J1から最下位のジュビロ磐田と17位の松本山雅FCがJ2へ降格し、16位の湘南ベルマーレはJ1参入プレーオフ決定戦で徳島ヴォルティスと引き分けて残留した。J2からは最下位のFC岐阜と、21位の鹿児島ユナイテッドFCがJ3へ降格している。 こうした降格措置が凍結され、一方でJ2およびJ3の上位2位までが上のカテゴリーへ昇格する。必然的に2021シーズンのJ1は最大20クラブで戦うことになるが、例えばJ1クラブライセンスを付与されていないクラブが2位以内に入った場合は、昇格するのは1クラブだけになる。 17クラブで戦った1997シーズン以来となる、奇数のクラブ数でリーグ戦を開催する可能性もあるなかで、それでも降格制度を今シーズン限定で廃止する理由はどこにあるのか。答えは終息する気配がまったく見えない、新型コロナウイルス禍と密接にリンクしている。