シェアタグで社会貢献を 新鋭アパレル企業が提唱
急成長を続ける大阪のアパレルベンチャーが創業10周年を記念し、自社単独ではなく業界全体で社会に貢献するシェアタグ・プロジェクトを進行中だ。小さな会社も連携しあうことで、地球規模の社会貢献活動SDGsに参加できるのが特色。2020年の東京五輪開催時までに、シェアタグの付いた商品総数で1億枚達成を目指す。提唱企業は五輪観戦を楽しむ訪日外国人にもシェアタグを知ってもらい、世界標準のプロジェクトにしたいと意気込む。 ヒョウ柄購入ランキング2位の大阪 最近は着てるおばちゃんいないの?
地球を守る思いを共通タグで共有
この会社は大阪市中央区に本社を構えるレディス衣料卸売業の株式会社For it(フォーイット)。2008年の創業から10年を経て、年商は48億円(18年5月期決算予測)まで伸びた。 社員数は33人。直近5年間の成長率は年商ベースで平均25%増をキープ。消費低迷や価格競争の激化に苦しむファッション業界で、急成長路線をひた走るアパレルベンチャーの一角だ。個性をシンプルに際立たせる洗練された商品展開が消費者に支持され、業界筋からの注目度も高い。 創業前後からの支援者や取引先を招き、大阪市内で開かれた記念式典。創業者である山野眞成社長が2年ほど構想を温めてきたシェアタグ・プロジェクトを発表した。自社の単独事業ではなく、業界全体に呼びかけ、社会貢献の輪を世界へ広げようという壮大なビジョンだ。 シェアタグ方式は、商品に付けるタグを通じて、複数の企業が共通のメッセージを消費者に発信できることに着目して考案。消費者がタグに記載された情報から共通サイトにアクセスすると、社会課題克服に向けた各社の取り組みを確認できるシステム。国連サミットで採択された国際目標「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(SDGs)推進活動に関する多様な取り組みを集約していく。SDGsは17の目標と169のターゲットで構成されている。 今年夏ごろをめどに、運営事務局にアートデザイナーも加わってタグのデザインや機能、素材などを決定。タグは地球環境を守るプロジェクトにふさわしい独創的な様式となる見込み。並行して賛同する同業者を募り、来年の春夏衣料からシェアタグ方式を導入する方針だ。