防災グッズや避難経路の確認のほかに…実家に帰省したときに〈高齢の親のために〉準備しておきたい「1枚のカード」とは?【ケアマネジャーの助言】
元日の能登半島地震や南海トラフ巨大地震が話題になるなど「自然災害」への備えが急務であることをより実感する1年となりました。親の元に帰省した際には、防災グッズ一式が揃えられているか確認したほうがよいかもしれません。そこで本記事では、親のために子ができる災害への「備え」について、ケアマネジャーの田中克典氏の著書『親への小さな恩返し100リスト』(主婦と生活社)より解説します。 【早見表】年金に頼らず「1人で120歳まで生きる」ための貯蓄額
防災グッズ一式を用意する
巨大地震が30年以内に70%の確率で起こるといわれており、集中豪雨などの水害も増加しています。自然災害への備えは急務。すでに用意しているお宅も多いと思いますが、改めて、親の家の“防災グッズ一式“(非常用持ち出し袋)の中身を確認してください。 水、携帯食、現金、懐中電灯、携帯ラジオ、笛、電池、下着、タオル、携帯用トイレ、アルミブランケット、ウェットティッシュ、マスク、絆創膏や包帯といった応急手当用品などに加え、高齢者の場合は尿とりパッドや持病の薬も必要です。親に忘れないよう伝えましょう。 防災グッズ一式は軽いリュックなどに入れて、玄関や寝室など親がすぐ手に取れる場所に置いておくことが大切です。
指定避難所に一緒に行っておく
地震や水害が発生して、避難所に逃げる際に、行き慣れていない場所だと、迅速に目的地へと向かえないものです。 帰省したときに親と一緒に、地区の避難所までの往復の道順を確認し、どう避難するかのシミュレーションをしてください。また、自治体のハザードマップも確認し、親の家の津波や浸水、土砂災害の危険度を調べておきましょう。 高齢者の場合、「警戒レベル3」が発令されると、避難を勧告されます。ただ足腰が弱い高齢者は、大雨の中、避難所まで行くこと自体が転倒などのリスクを伴います。 避難所に行ったとしても、体育館などでの生活は高齢者には厳しいものです。たとえば自宅が2階建てで、1階は床上浸水しても、2階の安全が確保できるならば、生活必需品を2階に移して在宅避難、または近くの旅館に泊まるという選択肢もあります。 さまざまな事態を想定し、親の避難方法を考え、リサーチと準備をするのは、子の役回りです。