米メディアは大谷の新人王受賞をどう報じたのか?
スポーツ専門メディアのESPNは「エンゼルスの大谷がヤンキースのコンビを破り新人王を勝ち取る」との見出しで、大谷の新人王獲得を伝え、「大谷はキャンプはバッティングにも苦労し、投球でもストライクが取れなかったが、レギュラーシーズンでは、開幕直後にインパクトを与えた」と、デビュー前後の様子から記事を構成した。 同メディアが、大谷の今季の「最も記憶に残る出来事のひとつ」としてピックアップしたのは本拠地初戦となる4月3日のインディアンス戦で、指名打者としてスタメン出場して、第1打席にマークしたメジャー第1号。 「エンゼルスファンが立ち上がって彼に拍手を送る中、大谷は、ダグアウトに戻るとチームメートから沈黙で出迎えられた。彼は楽しそうに一緒に祝ってくれる仲間を探し、イアン・キンズラーを捕まえるとチームメートにもみくちゃにされた」と、ベンチで無視される「サイレント・トリートメント」という儀式の洗礼を受けた際の大谷の様子を再現した。 また8月1日からの長打率.649は、クリスチャン・イエリッチに次いでメジャー2位だったことが紹介されている。 記事はア・リーグの新人王投票で2位だったヤンキースのミゲル・アンドゥハー、3位だったグレイバー・トーレスについても触れ「アンドゥハーは、チームのシーズン100勝に貢献し、打率.297、27本塁打、47二塁打、92得点と活躍した。だが、守備防御点(守備力の指標)でマイナス25点だった三塁の守備が問題視され、それが、彼の投票に影響したかもしれない」と敗因を分析した。 スポーツメディアのジ・アスレチックは「大谷の新人王受賞で、彼の2018年シーズンは、野球史において素晴らしい位置付けとなる」との見出しを取り、大谷がベーブ・ルースの二刀流の記録を上回る成績を残したことを絶賛した。 「大谷が全米野球記者協会の1位票を30人中25人から得て、1人の記者が彼に票を投じなかったにもかかわらず、ほぼ楽勝でア・リーグの新人王を勝ち取った。DHとして、走者として、そして投手として、大谷が達成した純然たる歴史を無視することは誰にもできなかった」と記した。 同メディアは投打における大谷の活躍度を紹介。 「打者として大谷は1打席あたりアーロン・ジャッジと同じ貢献度を見せている」と評価。セイバーメトリクスの大谷のwRC(打席あたりの得点力の高さを示す数値)は152で、MVP最終候補のホセ・ラミレス、新人王争いをしたアンドゥハー、トーレスの数値を上回っていることを明らかにした。 また「投手としても大谷はワールドシリーズを制したレッドソックスで英雄的な貢献を果たしたデービッド・プライスと同様のレベルにある」と絶賛。 「大谷の打者、投手の両面における期待を上回る活躍は、まさに特別なことだった」とまとめた。