息子は大学進学後月5万円の「給付型奨学金」を受ける予定ですが、年収に含まれないですよね? また、親の扶養から外れないようにするには年間いくらまでアルバイトをしてOKなのでしょうか?
大学進学費用は、教育費のなかでも大きな金額となります。子どももアルバイトなどで収入を得ることがありますが、収入を得すぎてしまうと扶養の範囲から外れ、所得税などの負担が大きくなってしまうことがあります。 また、給付型奨学金は返済不要ですが、これは収入とみなされるのでしょうか? 奨学金を受け取りながら扶養で居続けるための収入は、いくらまでとすればよいのでしょうか? ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
現役大学生の該当する可能性のある「扶養制度」は?
扶養制度には、主に「所得税上の扶養」と「健康保険上の扶養」の2つがあります。 現役で進学した場合、所得税上の扶養は19歳以上23歳未満の「特定扶養親族」に該当し、親は63万円の所得控除を受けることができます。 健康保険上の扶養は、親が協会けんぽや組合健保に加入している場合に該当し、被扶養者である子ども健康保険料の負担なしで健康保険を利用することができます。 いずれも被扶養者には所得要件があり、一定以上の収入を得ていると扶養から外れてしまいます。 扶養から外れると、親の税負担の増加や、子ども自身も健康保険に独自に加入することになるので健康保険料の負担が発生し、かえって手元に残るお金が減ってしまうおそれがあります。
扶養から外れない年収は?
扶養内で働く場合、所得税上の扶養の収入要件は給与収入では「年収103万円以下」になります。103万円以下であれば給与所得控除55万円と基礎控除48万円が差し引かれ所得が0円になるためです。なお、子どもが非課税となるかどうかについては、大学生であれば、勤労学生控除27万円の所得控除も適用されるので130万円まで非課税となります。 健康保険上の扶養は、加入している健康保険組合によって異なりますが、例えば、協会けんぽは「年収130万円未満」が収入要件の一つとなっています。
給付型奨学金は年収に含まれる?
給付型奨学金は返済不要ですが、収入に含まれるのかについて、所得税では年収に含まれず確定申告も必要ありません。 一方、健康保険では加入している組合によっては年収に含まれ、扶養から外れてしまうことがありますので注意が必要です。 扶養の収入要件が130万円未満で給付型奨学金が年収に含まれる場合は、仮に毎月5万円の給付型奨学金を受け取るのであれば、年収は70万円未満とする必要があります。