トヨタ ヴォクシー G'sはミニバンだからこそワクワクするクルマを目指していた【10年ひと昔の新車】
2010年4月、2代目ノア/ヴォクシーにマイナーチェンジが施された際に、スポーツコンバージョンモデル 「G SPORTS」(通称G's)が登場して大きな話題となった。トヨタのモータースポーツ活動を行う「GAZOO Racing(ガズー レーシング)」がクルマの味づくりに取り組んだコンプリートカーで、現在のGRシリーズにつながる画期的なモデルだった。Motor Magazine誌ではその登場時、早速、試乗テストを行っている。今回はこの時の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2010年10月号より) 【写真はこちら】 ヴォクシー ZS G's。エクステリアは専用デザインの前後バンパーおよびグリル、左右デュアル出しのスポーツマフラーを装着。ボディサイドの専用ストライプは全モデルオプション(全6枚)
TOYOTA GAZOO Racingのテストドライバーがチューニング
“G's”は、走ることの楽しさや自分だけのクルマを所有することに対して強いこだわりを持つユーザーに向けて、“意のままに操る喜びを”というコンセプトを打ち出した、新しいスポーツコンバージョン車シリーズの名称である。そしてその第一弾に選ばれたのが、ヴォクシー/ノアである。トータルチューニングは、トヨタが活動を行う「GAZOO Racing(ガズー レーシング)」のテストドライバーが実施したとのこと。 ボディは、フロントドア開口部やフロアに施されるスポット溶接の個所を標準モデルよりも増強。ボディのねじれを小さくすることで、ハンドル操作に対してよりダイレクトなクルマの動きを実現するのが狙いである。そして専用チューニングのスプリング/ショックアブソーバ、専用デザインの前後バンパーおよびグリル、左右デュアル出しのスポーツマフラーを装着。専用のシート表皮、本革巻きステアリングとシフトノブの赤いステッチ、センタークラスター/ステアリングスイッチベゼルなどに施されたピアノブラック加飾などもG'sの特徴である。 また、よりスポーツイメージを強化した仕様が「G's Version EDGE(バージョン エッジ)」である。G'sの仕様に加えて、ボディそのものの振動を吸収して上質な走り味を実現するヤマハ製の「パフォーマンスダンパー」をフロントサスペンションメンバー後ろに装備。アンダーボディの剛性を向上させる補強ブレースを前後に装着、床下の空気抵抗を減らして走行安定性を高める整流パーツのスパッツをフロントバンパー後部、フロントホイールハウス前後、リアホイールハウス前部などに備える。専用デザインのアルミホイール(7J×18)とブリヂストン製ポテンザRE050タイヤ(215/45R18)、専用のスポーツブレーキパッドも装着される。