一流アスリートが実践する猛暑対策。元ガールズ女王が語る「“真夏の競輪”の過酷すぎる舞台裏」
レース前の発走機でボーッとしてしまうことも…
現在、平塚競輪場にてオールスター競輪が開催されているが、初日の最高気温は35度で猛暑日を記録。ファンとして観戦していても、金網越しからバンクの熱気を感じるが、その上を走っている選手はどのような感覚なのだろうか。 「レースも練習と同じで、直前控え室は涼しく、敢闘門を出たら暑いので、発走機についたときには少しボーッとしてしまうこともありまして……。そういったことを防ぐために、直前までヘルメットに氷のうを入れたり、冷却スプレーを体にかけたりしてからレースに臨んでいました。まぁでもレースは3分で終わるので、暑くてキツかったといえば練習の方を思い出します」
日焼け止めは海外製品を使う選手も
また、女性にとって、夏場はメイク事情にも変化があるようだ。 「メイクをしても、夏場は汗でダラダラ落ちてきてしまいます。たとえばマスカラをしてしまうと、汗で落ちてきて目の周りが黒くなってしまうので、まつ毛エクステをしているガールズケイリン選手は多かったですね。もちろん日焼け止めは塗っているのですが、なかなか市販のものだと何度も塗り直さないといけなかったりして……。海外で販売されている商品を取り寄せている選手も多かったです。私も一度取り寄せましたけど、匂いが合わず、結果的には市販のなかでも強力なものを使っていました」
引退してから気づいたこと
最後に高木さんは、引退してから気づいたことを話してくれた。 「引退してから気づいたことなんですけど、普通に生活していて、体を絶好調にする必要ってないじゃないですか。でも選手時代は、常に絶好調でいることを細かく考えていました。正直、今は冷たいものも食べちゃうし、冷房が効いている部屋に長時間いることもありますし……。そんななかでも、選手時代にやっていたことを少しでも実践できれば、より健康でいられると思います。つまり、現役時代にやっていたことは、『人が健康でいるためにやるべきことをやっていた』ってことかもしれませんね」 競輪選手としての厳しいトレーニングや体調管理は、ただパフォーマンスを追求するためだけでなく、健康維持にも通じるものだったと語る高木さん。そう考えると、競輪選手のトレーニングや健康法には、健康維持のためのヒントが詰まっているのだろう。 真夏のバンクで颯爽と駆け抜ける選手の裏には、こういった“灼熱の中で積み重ねている努力の日々がある”ということを忘れてはいけない。 文/セールス森田 ―[高木真備のガールズケイリントーク]― 【セールス森田】 Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント
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