傘を差しても雨に濡れるのはなぜ? 意外に知らない正しい傘の選び方と差し方を聞いた
ちゃんと傘を差していたつもりでも、気がつくと、足元や肩、バッグなどが雨に濡れていることがあります。実は雨の降り方や持ち物によって、合わない差し方をしているのかもしれません。また、傘のサイズが合っていないことも濡れやすい原因になるようです。雨の日をスマートに乗り切るために、濡れにくい傘の差し方や選び方について、マナー講師の江頭美鈴さんに伺いました。 【写真】ついやってしまいがちな間違った傘の差し方 ハンドルのU字部分は自分に向けるのが正解 ◇ ◇ ◇
「基本的な傘の差し方」をチェック
江頭さんによると、立ち姿も美しく周囲に配慮した「基本的な傘の差し方」があるそう。傘を開いたら、どのような持ち方をするのかが最初のチェックポイントです。 「ハンドル(手元)と呼ばれる、持ち手部分をしっかりと握ります。そして、ハンドルがUの字に曲がっているタイプの場合は、湾曲部分が自分のほうに向くように持ちましょう」 こうすることで風が吹いたり、手がゆるんだりしても、自分のほうに倒れやすくなるため、周囲の人に迷惑をかけにくくなるそうです。また、脇を締めて持つことで、安定した持ち方に。さらに傘の「角度」もポイントになるようです。 「地面に対して、中棒(シャフト)を垂直に縦に立てるように持ちましょう。自分の胸のあたりにハンドルを握った手が来るようにすると、ちょうど傘の中央に自分が入るため、安定して傘を持つことができます。また、まっすぐ垂直に持つことで、水滴が均等に露先から落ちるので、濡れにくくなります」 この基本的な傘の差し方は、立ち姿が美しいだけでなく、周りの人の視界を遮ることもないため、周囲に配慮したスマートな差し方になるそうです。
濡れにくい傘の差し方 3つのポイント
しかし、基本の持ち方をしていても、雨に濡れることがあります。江頭さんは、「雨の降り方や持ち物によって、差し方を変えることが大事」だと指摘。そこで、「カバンが濡れやすいとき」「雨が強いとき」「前方から雨が降り込んでくるとき」の3つのポイントについて紹介します。 ○カバンが濡れやすいときは「ずらし差し」 傘を持つ手と反対側の手でカバンを持っている場合は、傘の中心位置をずらして差す工夫が必要です。通常、持ち手と同じ肩側にあるシャフトの位置を、自分の顔の前、または腕をやや斜めにしてハンドルを持つ手元をカバン側の肩に近づけて持って差しましょう。こうすることで荷物も含めて全体をカバーできます。その際、安定しにくくなるので、しっかりとハンドルを握って固定させましょう。 ○雨風が強いときは「低め差し」 雨の降り方が強いときや風を伴う雨の場合は、傘が持っていかれやすいこともあります。そんなときは、地面に対して垂直に持つよりも、ハンドルを胸下に引き下げて、傘全体を低めに持つといいでしょう。肩や鎖骨あたりにシャフトが触れるように、やや斜めにすると、縦に持つよりも安定感が増し、雨に濡れにくくなります。ただ、周りの人の視界を遮る場合もあるので、臨機応変に使い分けられるといいですね。 ○前方から雨が降り込んでくるときは「前傾差し」 ハンドルを持つ手首を少し上側に回し、傘全体をやや前傾させましょう。10度くらいが理想です。傾斜をつけすぎてしまうと、傘で前方が見えにくくなり、人や物にぶつかる可能性があるので注意が必要です。傘を前傾させると、露先の前部分から水滴が足元に落ちやすくなりますが、上半身を濡れにくくするときに向く差し方です。