Skateboarding Unveiled vol.7 ~スケートボード写真の「ちょっと違うんだよなー」感~
ではどの瞬間がピークになるのかというと、縦回転したボードをキャッチして後端をレールに掛けようとするこの写真になる。 ボードが裏返っていなくても、足とどのように触れているかで前後の動きがわかるため、ピークのタイミングとなる。 これを動作分析すると、まず後ろ足のつま先がボードの後ろ部分を捉えているのは、写真から見て反時計回りにボードを1回転させきった瞬間だからだ、400°くらいのところでキャッチしているといえばわかりやすいだろうか。 前足がボードから少し離れているのは、背中側前方に擦り抜いた足を戻そうとしているからで、この2点からキックフリップの動作入れていることが確認できる。 さらに身体は背中を進行方向に向けて80°くらい回っている状態であるし、レールのすぐ上にボードの後端があるので、この1テンポ先の動きかバックサイドテールスライドであることも推測できる。以上の要素から2つのトリックを入れた複合技であることがわかるため、ピークであるということができるのだ。 これが最初のキックフリップの説明も含め、冒頭の「この技ってボードが裏返ってる瞬間を使うんじゃないんですか⁉︎」という問いに対しての答えとなる。
アプローチと着地点の”全体像”が大切
となると、次は当然「踏み切りも着地も、どんな技なのかも全部写ってるのにどこがダメなんですか?」に対する答えとなるのだが、まずはこの写真を見てほしい。 これはキックフリップでバンク(斜面)から上部のフラット部分に跳び移っている写真だ。どこから入ってどこに着地したかも確認できるので暗黙のルールにも則っている。
一見何の問題もないように思うかもしれないが、こちらの写真を見たらどう思うだろう⁉︎ 同じ選手、同じセクション、同じトリックであるにも関わらず与える印象は別モノになる。実はバンク面がすごく長かったのだ。 これだけ長ければ、当然アプローチは速いスピードが必要になるし、その分ボードコントロールがしづらくなり、難易度も高くなる。となれば、どちらの方がすごく見えるかは一目瞭然だろう。 スケートボードのライディング写真では、アプローチと着地のポイントを、”点”で見るのではなく”全体像”として捉えることが非常に重要なのだ。 これが、上記質問の答えとなる。