まったく歯が立たず…。J2でボロボロだった歴代チーム6選。「魔境」に飲み込まれたクラブは?
ザスパクサツ群馬(2017年)
2017シーズン成績:5勝5分32敗(勝ち点20) 監督:森下仁志 2024シーズンの明治安田J2リーグで最下位に沈んでいるザスパ群馬は、クラブの呼称が「ザスパクサツ群馬」だった2017シーズンにも苦汁を嘗めている。 シーズン開幕前から、群馬は厳しい状況に置かれていた。乾大知、瀬川祐輔、中村駿、吉濱遼平といった面々が退団したことで、戦力が大幅にダウン。日本体育大学を卒業した高井和馬や、元韓国代表のカン・スイルのような期待の持てる新戦力もいたが、チームにどこまでフィットするか未知数の部分が大きかった。 新シーズンに対する漠然とした不安は、開幕節の大敗で早くも現実のものとなる。V・ファーレン長崎に0-4で敗れると、そこから一気に6連敗。第12節・ロアッソ熊本戦を2-1で制して初白星を挙げるまで、リーグ戦11試合連続未勝利が続いた。一時は順位を20位まで上げたものの、第20節終了時に再び最下位に転落してからは一度もそこから脱出できず。第37節終了時点でJ3降格圏の21位以下でシーズンを終えることが確定した。 21位以下が確定した東京ヴェルディ戦後には、ファンの怒りが爆発。スタジアムではフロントを批判する横断幕が掲げられた。結局、2017年12月3日に栃木SCがJ3リーグ終了時点で2位に入って翌シーズンのJ2昇格を決めたことにより、群馬のJ3初降格が決定。クラブは公式サイトに掲載した声明文の中で「非常に悔しく、無念です」と、ファンをはじめとする支援者に謝罪した。
FC町田ゼルビア(2012年)
2012シーズン成績:7勝11分24敗(勝ち点32) 監督:オズワルド・アルディレス、楠瀬直木、秋田豊 2024シーズンの明治安田J1リーグで昇格初年度ながら優勝争いに食い込んでいるFC町田ゼルビア。クラブ史を塗り替える躍進を続けているが、2012シーズンには拭い去れない屈辱を味わっている。 2011シーズンに日本フットボールリーグ(JFL)で3位に入った町田は、念願叶って2012シーズンからJ2リーグに参入を果たした。新指揮官にはJクラブでの指揮経験のあるオズワルド・アルディレスを迎え、選手やファンは期待に胸を躍らせていたことだろう。 第3節・ガイナーレ鳥取戦でJリーグ初勝利、第4節・ロアッソ熊本戦で連勝を飾るなど、シーズン序盤における町田の出来は決して悪くなかった。だが、第12節のホームでのギラヴァンツ北九州戦から第27節のアウェイでの北九州戦まで16戦連続未勝利を喫したことが痛手となり、最終節の湘南ベルマーレ戦を0-3で落としたことでJ2最下位が確定する。 JFLで優勝したV・ファーレン長崎の2013年からのJリーグ加盟が承認されたため、町田は長崎と入れ替わりでのJFL降格が決定し、Jリーグ正会員資格も喪失してしまった。 在籍たった1年でJリーグからJFLに逆戻りした町田。現在J1リーグで見せつけている「強いゼルビア」のイメージが強烈なだけに、より2012シーズンの暗部が際立つ。 アルディレス監督はポゼッションサッカーを貫こうとしたが、当時の町田には今シーズンのチームのような「泥臭くとも勝利をもぎ取る」姿勢が足りていなかったのかもしれない。