日本でじつは「死後離婚」が目立つようになっていた…多くの夫婦が知らない「この国の激変」
いま日本はどんな国なのか、私たちはどんな時代を生きているのか。 普段本を読まない人も「意外と知らなかった日本の論点」を知るべく、日本・日本人の謎に迫る話題書『日本の死角』を読みはじめている。 【写真】みんな知らない、「脳がなくても眠る」って一体どういうこと!?
「死後離婚」が増えた理由
この国の「死後離婚」は毎年3000件ほどに上っている。 10~15年前と比べると1000件以上増えている。 いったい、何が起きたのだろうか? それは家族をめぐる意識の変化、そしてマスコミの力だった。 〈核家族化によって、結婚した子どものほとんどが親と同居しない現代、明治民法時代と違って、法的にも結婚すれば親子は別の家族となる。 したがって配偶者が亡くなってしまえば、その親との関係性は希薄である。現代社会では、このような家族関係意識が定着している。〉(『日本の死角』より) 〈2014年1月に、NHKの人気番組「あさイチ」が「死後離婚」に触れ、夫婦別墓の話を中心にしながらも「姻族関係終了届」にも触れ、2017年には「姻族関係終了届」をテーマに特集を組んでWEB掲載し、2018年に同番組で再度取り上げている。このようにマスコミによく取り上げられるようになって届出件数が急増した。 2019年度以降2021年度現在が3000件台に減ったのは、マスコミを通じて広まったときに、それまで届出の存在を知らなかった人たちが、知識を得て一気に申請したためではないかと考えられる。〉(『日本の死角』より)
「姻族関係終了届」には提出期限はない
知らない人も多いかもしれないが、「姻族関係終了届」には提出期限はない。 配偶者の死亡届が提出された後であれば、何年経っていても可能なのである。 さらには、配偶者側の親族の同意は必要とせず提出ができる。一方で、相続や遺族年金をもらう権利はそのまま残っている。 〈超少子高齢社会で、一組の夫婦に4人の親の介護などが課せられる社会が到来している。 そのため、夫は夫の両親、妻は妻の両親の世話をするのが精一杯で、配偶者が亡くなって、配偶者の両親の分まで介護などの責任を負うのは難しい社会になっていることも背景にある。〉(『日本の死角』より)
現代新書編集部