60歳代ひとり世帯で「貯蓄ゼロ」は珍しくない。一覧表で「手取り収入からの貯蓄割合」を見る
日本銀行は2024年1月17日、「「生活意識に関するアンケート調査」(第96回<2023年12月調査>)の結果」を公表しました。 【貯蓄の円グラフ】「60歳代・ひとり世帯の貯蓄額」をすべて見る!(出所:金融広報中央委員会など) 1年前から景況感が「悪くなった」と回答した割合が増加し、反対に先行き(1年後)については、「良くなる」との回答が減少する結果に。 現在の景気水準も、「良い」の回答は減少し、「悪い」の回答が増加しました。 景況判断の根拠については、「自分や家族の収入の状況から」との回答が一番多いとのことで、物価上昇の中で収入が上がらない状況が影響すると考えられます。 では、そろそろリタイヤする世帯が増える「60歳代」に目を向けると、そのお金事情はどのようになるのでしょうか。 実は60歳代であっても、「貯蓄ゼロ」という世帯はめずらしくありません。 「みんなどれくらいの貯蓄を保有し、手取り収入からどれくらい貯蓄しているのか」が気になる方もいるでしょう。 今回は金融広報中央委員会の資料をもとに、60歳代ひとり世帯の貯蓄額をみていきます。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
60歳代ひとり世帯で「貯蓄ゼロ(非保有)」は何パーセントか
60歳代のひとり世帯で「貯蓄ゼロ(非保有)」を達成している人はどれくらいいるのでしょうか。 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」より、60歳代ひとり世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。 ●【60歳代ひとり世帯】の貯蓄ゼロ(非保有)の割合 28.5% ●【60歳代ひとり世帯の貯蓄額】平均と中央値 ・平均:1388万円 ・中央値:300万円 貯蓄ゼロ(非保有)は28.5%、平均は1388万円、中央値は300万円となりました。 100万円未満に広げると、36.5%となります。 同調査における金融資産とは「定期性預金・普通預金等の区分にかかわらず、運用の為または将来に備えて蓄えている部分とする。…(中略)…日常的な出し入れ・引落しに備えている部分は除く」と定義されています。 日常的に使っている口座は除かれることから、実際にはもう少し貯金があるというシニアもいると考えられます。 とはいえ、60歳代ひとり世帯の貯蓄事情は厳しいといえるでしょう。 では、60歳代は手取り収入からどれくらいの割合で貯蓄に回せているのでしょうか。