60歳代ひとり世帯で「貯蓄ゼロ」は珍しくない。一覧表で「手取り収入からの貯蓄割合」を見る
【60歳代ひとり世帯】手取り収入からの貯蓄割合は何パーセントか
金融広報中央委員会の同資料より、年間手取り収入(臨時収入含む)からの貯蓄割合を確認します。なお、こちらは金融資産保有世帯のみを対象にした調査項目です。 ●年間手取り収入からの貯蓄割合 ・平均:10.0% ・5%未満:5.4% ・5~10%未満:8.6% ・10~15%未満:15.3% ・15~20%未満:3.2% ・20~25%未満:6.7% ・25~30%未満:1.3% ・30~35%未満:2.9% ・35%以上:9.6% ・貯蓄しなかった:47.1% 最も多いのは「10~15%未満」で15.3%、平均は10%でした。 手取りの何%を貯蓄するかは個人差があるものですが、働き続けて収入がある方は平均を一つの目標に貯蓄を進めるのもいいでしょう。
60歳代の年金収入は平均いくらか
最後に、60歳代の年金収入の平均額も見ておきましょう。 ●厚生年金の平均月額(60歳~69歳) ・60歳:9万4853円 ・61歳:9万1675円 ・62歳:6万1942円 ・63歳:6万4514円 ・64歳:7万9536円 ・65歳:14万3504円 ・66歳:14万6891円 ・67歳:14万5757円 ・68歳:14万3898円 ・69歳:14万1881円 ●国民年金の平均月額(60歳~69歳) ・60歳:4万2616円 ・61歳:4万420円 ・62歳:4万2513円 ・63歳:4万3711円 ・64歳:4万4352円 ・65歳:5万8070円 ・66歳:5万8012円 ・67歳:5万7924円 ・68歳:5万7722円 ・69歳:5万7515円 65歳未満は、繰上げ受給や特別支給の老齢厚生年金の受給者等が対象となっているため、平均額が減少しています。 あくまでも平均になるため、それぞれの収入額に合わせて、今後の貯蓄計画を立てる必要があるでしょう。
老後に向けた計画的な資産形成を
これまで60歳代ひとり世帯の「貯蓄ゼロ(非保有)の割合」と手取りからの貯蓄割合を確認してきました。 貯蓄できている人もあれば、そもそも貯蓄ができなかったという人もいましたね。貯蓄ゼロは決してめずらしくありません。 家庭環境や社会情勢の変化により貯蓄できない場合もありますが、継続的に貯蓄を続けるためには、毎月の給料や収入から一定額を先に貯蓄し、残りのお金で生活していく「先取り貯金」が効果的です。 先取り貯金には投資信託などの積み立てといった運用もありますが、長期運用ができなければリスクは高まります。 これを機に、自身に合った貯蓄方法について考えてみてはいかがでしょうか。 ●【ご参考】60歳代ひとり世帯の貯蓄額一覧表(金融資産を保有していない世帯を含む) ・金融資産非保有:28.5% ・100万円未満:8.0% ・100~200万円未満:5.7% ・200~300万円未満:4.3% ・300~400万円未満:3.6% ・400~500万円未満:2.7% ・500~700万円未満:6.2% ・700~1000万円未満:4.6% ・1000~1500万円未満:6.6% ・1500~2000万円未満:3.6% ・2000~3000万円未満:6.8% ・3000万円以上:16.9%
参考資料
・金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」 ・国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」 ・日本銀行「「生活意識に関するアンケート調査」(第96回<2023年12月調査>)の結果」
太田 彩子