【カンヌ国際映画祭 2024】パルムドールの主要候補から「沈黙」ジェスチャーの意味まで中間レポート!
映画祭も折り返し地点を過ぎた。ここまで出てきたパルムドール候補の注目作や、気になるトピックスをまとめてお届け! 【写真】カンヌ国際映画祭でセレブが魅せた洗練の歴代ネイキッドドレス82選
パルムドール候補はずばり?
le film francaisやScreenScreen Dailyなど映画業界誌が最も高評価をつけている作品のひとつが、5月19日に上映されたデミ・ムーア&マーガレット・クアリー主演『THE SUBSTANCE』だ。若さと美に憑りつかれた往年のスターをデミ・ムーアが文字通り体当たりで演じる、グロテスク系ホラー。コラリー・ファーギートが脚本・監督を手掛ける。 上映後は9分間のスタンディングオベーション。ヴァラエティ誌は「先見の明のあるフェミニストのボディホラー映画」と評した。
サンローランプロダクションの快進撃も目覚ましい。今年のコンペティション部門には、ジャック・オーディアール監督『EMILIA PEREZ』、デヴィッド・クローネン監督『THE SHROUDS』、パオロ・ソレンティーノ監督『PARTHENOPE』という3本もの長編作品を出品。いずれも現地で話題を呼んでおり、台風の目であることは間違いない。 とりわけ、ジャック・オーディアールが脚本と監督を務める犯罪スリラー×ミュージカル映画『EMILIA PEREZ』は、トランスジェンダー俳優のカルラ・ソフィア・ガスコンが主演。主要キャストのセレーナ・ゴメスの熱演も話題に。 メキシコを舞台に、麻薬カルテルのギャングスターが性転換し新たな人生を歩むというストーリーの奇抜さ。「見ごたえのあるミュージカルメロドラマ」と現地で好評で、こちらも上映後9分に渡って拍手が続いた。
中国勢のカムバも!
中国勢が戻ってきた。パルムドール候補として、カンヌともゆかりのある実力派のジャ・ジャンクー監督が手掛けた『Caught by the Tides(風流一代)』。 ドキュメンタリーとフィクションを融合したようなラブストーリー。セリフはほとんどなく、過去25年間にわたって中国全土で撮影した映像で構成されている。 中国が経験した激動の時代を、音と映像で浮かび上がらせ、ポエティックな洞察を繰り広げる。ジャンクー監督の手腕を讃える声と、「難解」という評も。 ほか、コンペティション部門の前半では アンドレア・アーノルド監督『Bird』、ヨルゴス・ランティモス監督『憐みの3章』も現地で評価が高い。パルムドールのゆくえはいかに。