「目標は100歳超、90代前半はジュニア」という施設が大事にする「食」 医師おすすめ「毎日食べたい食材」を紹介
アルツハイマー病の研究を続けて34年になる白澤卓二医師は、認知機能の低下を遅らせる、科学的なエビデンスのある対策を自身が代表を務める高齢者施設で実践しています。白澤医師は、認知症は誰にでもおこる脳の老化ですが、食事・運動・睡眠などの生活習慣や脳の毒出し対策で予防でき、現状維持することが可能だと言います。 そこで白澤医師の『Dr.白澤の実践メソッド 100寿をめざす 認知症最新戦略』より一部を抜粋、再編集し、「Dr.白澤がすすめる毎日食べたい必須の食材」を3回にわたって紹介しています。本記事は3回目です。 【画像】高齢者の健康におすすめ!旨みと栄養が溶け出た「ボーンブロス」ってなんだ?
1回目:アルツハイマー研究第一人者が語る「脳にいい食」 2回目:認知症予防につながる「いつもの食事」のヒント ■旨みと栄養が溶け出た「ボーンブロス」 毎日食べたい必須の食材:ボーンブロス タンパク質が豊富で消化・吸収しやすい ●鶏、牛、豚などの骨と香味野菜を煮込んだスープ ●長時間煮込むので骨から栄養が溶け出す ●消化・吸収する力が落ちている人におすすめ ●腸の粘膜の修復に役立つ ボーンブロスは骨からとるだしです。牛や豚、鶏などの骨と香味野菜を、鍋でコトコトと煮込んでできるスープのことです。
長時間かけて煮込むので、骨から栄養が溶け出し、カルシウム、リン、マグネシウム、コラーゲン、アミノ酸(タンパク質が分解されたもの)が豊富に含まれています。 ボーンブロスのいいところは、消化・吸収されやすい点です。 加齢とともに、腸で栄養を吸収する力は落ちるので、高齢者はしっかり食事をしているつもりでも、低栄養に陥っているケースがよくあります。ボーンブロスは消化機能が落ちた高齢者にぴったりです。 また、タンパク質やビタミン、ミネラルが豊富なボーンブロスは腸粘膜の修復を促します。腸の粘膜がダメージを受けて、バリア機能が低下している人にもおすすめです。
腸のバリア機能が低下すると、疲労感、下痢や便秘、じんましん、アトピー性皮膚炎、リーキーガット症候群など、さまざまな不調が起こります。ボーンブロスはこうした不調の改善にも役立ちます。 <ボーンブロスは手作りできる> 牛テール、スペアリブ、手羽先、手羽元など骨のついた肉と、ねぎ、しょうが、にんにく、セロリなどの香味野菜を鍋に入れて、アクを取り除きながら数時間煮込みます。粗熱が取れたらザルなどでこし、できたスープがボーンブロスです。