中日・松山晋也、鬼門となった神宮対策「他に比べてマウンドの傾斜がない」新しい球種も着手
中日・松山晋也投手(24)が、鬼門となった神宮への対策を講じていると明かした。今季防御率12・60とツバメの本拠地に苦戦した右腕は、複雑に傾斜したグラウンドと「低く感じる」という独特のマウンドに対応する必要があると分析。直球とフォークの縦変化に、新たにカットボールとツーシームの横変化を加えた新スタイルを構築して、鬼門を突破する。 苦手な球場はない方がいい。9回のマウンドを目指す者ならなおさらだ。絶対守護神として君臨してきたマルティネスの巨人入りで空いたクローザーの座。その筆頭候補でもある松山は、弱点克服へ策を練っていた。 「同じことを繰り返さないように、やりたいことはあります。秋にいろいろと試したので、自分の中で消化して、春のキャンプでブラッシュアップしたい」 今季、松山は神宮で極端に苦しんだ。3月29日のヤクルトとの開幕戦で1点リードの8回に登板したが1死も奪えず4失点。翌30日も再び8回に同点とされた。8月12日にはサヨナラ犠飛を許し、連続ホールドポイントが21試合で途切れた。最終的に神宮の防御率は12・60。球場別でワーストだった。 同じことを繰り返すつもりはない。既に失敗した要因の分析を済ませている。鍵は神宮特有のグラウンド環境。水はけを考慮して全体が外野フェンス側に傾斜しているため、マウンドから見える捕手の位置が投手の目線と同じ高さに見えるほどだという。松山も「他の球場に比べてマウンドの傾斜がない」と違いを実感していた。 150キロを超える直球とフォークが投球の軸となる松山にとって、縦変化がつきにくい神宮のマウンドが及ぼす影響は大きい。今季の2割だった被打率が、神宮では3割6分4厘に跳ね上がる。 改善のために着手したのが、カットボールとツーシームの習得だ。「少し横にずらせる球種があれば、変わる部分もある」とシーズンオフから本格的に取り組んだ。1球ごとに数値を確認して、理想の軌道を追求。さらにホームベースに黒いビニールテープを張り、変化量を可視化する練習法も取り入れた。「イメージはできました。あとは実戦で使えるようにしていくだけ」と手応えも感じている。 来季、竜の救援陣を取り巻く環境は大きく変わる。マルティネスが抜け、勝利の方程式の再構築が求められる。
中日スポーツ