韓国経済、このままでは2040年代後半に潜在成長率0%台に
少子高齢化で労働力が減少して景気が冷え込み、資本投資が萎縮する現在の傾向が続く場合、潜在成長率が2025年から1%台に下がり、2040年代後半には年平均0.6%水準に低下するという韓国銀行(韓銀)の見通しが示された。 特に生産可能人口の減少は今後、潜在成長率を0.2-0.4%ポイント引き下げると分析された。下方傾向の潜在成長率を少しでも引き上げるためには何よりも首都圏集中の緩和、女性の経歴断絶の解消を通じた出生率向上が急がれるという指摘がある。 韓銀によると、2024-26年の潜在成長率は年平均2%水準と推定される。潜在成長率は一国の労働・資本などすべての生産要素を動員しながらも物価上昇を誘発せずに達成できる最大成長率をいう。韓国の潜在成長率は2000年代初めは5%前後だったが、2010年代に入って3%前半に下落し、2016-20年には2%半ばに低下した。新型コロナの影響まで考慮した2021-23年の潜在成長率は年平均2.1%だった。 ただ、韓銀は構造改革などで生産性を向上させれば結果は大きく変わる可能性があると強調した。全要素生産性の向上、出生率の向上、女性・高齢層の労働生産性向上など構造改革シナリオに基づき、2040年代後半の潜在成長率はそれぞれ0.7%ポイント、0.1-0.2%ポイント、0.1%ポイントほど追加上昇が可能という見方を示した。 まず企業の革新活動を奨励する革新生態系の形成、労働政策の改善、資源配分の効率性向上などで全要素生産性増加率が資本投入寄与度の約90%(パンデミック以前期間の平均)水準まで回復する場合、潜在成長率が0.7%ポイント上昇すると推測される。 また首都圏集中の緩和、仕事と家庭の両立および女性の経歴断絶解消のための労働市場改革、養育負担軽減のための社会サービス拡充などを通じて0.7人台の合計特殊出生率をOECD平均(1.51人)水準まで回復すれば、潜在成長率が0.1-0.2%ポイント改善するとみている。さらに仕事と家庭の両立政策、定年後の労働市場環境改善などで女性と高齢層の相対的生産性が改善されるなら、潜在成長率0.1%ポイントの追加上昇効果を期待できると話した。