年金額を計算したら毎月「25万円」もらえるようです! 貯金がなくても老後は安心して過ごせるでしょうか?
老後に向けた貯金の重要性
夫婦が25万円だけで老後を過ごす場合、毎月3万2497円のマイナスとなる可能性があるため、貯金が必須でしょう。厚生労働省がまとめた「令和5年簡易生命表の概況」によると、65歳の平均余命は男性19.52年、女性24.38年となっているため、25年分は用意しておくと安心でしょう。 25年間で不足する金額を計算すると、合計974万9100円です。しかし、老後には「リフォーム費」や「介護費」などの大きな出費が控えているケースがあります。 国土交通省住宅局「令和5年度住宅市場動向調査報告書」によると、リフォーム実施世帯のうち「新築住宅として取得した住宅」の平均居住年数は26年です。そのため、30~40代で住宅を購入した場合、定年後がリフォーム時期と重なる可能性があります。なお、同調査によれば、リフォーム資金の平均は137万円、うち自己資金は112万円です。 また、公益財団法人生命保険文化センターがまとめた「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、介護に要した費用のうち、住宅改造や介護用ベッドの購入などの一時的な費用は平均74万円でした。また、介護に要した月々の費用は1ヶ月平均8万3000円で、平均介護期間は61.1ヶ月となっています。 生活費以外の金額を単純に備えた場合、平均額で計算すると「リフォーム費」や「介護費」などでおよそ700万円を用意しておく必要があると考えられます。単身者で毎月の年金額が25万円であれば比較的余裕がありますが、夫婦で25万円の場合にはある程度の貯金が必要でしょう。
老後に備えて貯金は必要
年金収入によって日常生活そのものは問題がなくても、リフォーム費用や介護費用など生活費以外にも発生する費用があります。予期せぬ出費に備えて貯金をしておくことで、安心して老後を迎えることができるでしょう。 可能な限り現役で働いているうちに貯金で備えておくことが大切です。 出典 総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2023年-(19ページ) 厚生労働省年金局 令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 II.厚生年金保険 表6 厚生年金保険(第1号) 受給者平均年金月額の推移(8ページ) 厚生労働省 令和5年簡易生命表の概況 1 主な年齢の平均余命 日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について 国土交通省住宅局 令和5年度 住宅市場動向調査報告書 7.リフォーム住宅に関する結果 7.2 リフォーム前後の住宅に関する事項 7.2.1 リフォームした住宅 (2)住宅の取得時期(316ページ)、7.4 資金調達に関する事項 7.4.1 リフォーム資金(327ページ) 公益財団法人生命保険文化センター 2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査 2.生活保障に対する考え方 (5)世帯主または配偶者が要介護状態となった場合の公的介護保険の範囲外費用に対する経済的備え (エ)介護経験 (b)介護期間(170ページ)、(e)介護費用(173~174ページ) 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部