【高校サッカー選手権】MF嵯峨聖央がチームを勝利に導く2得点 西目が秋田商を下し12年ぶり14回目の全国へ
第103回全国高校サッカー選手権秋田予選決勝が10月26日、秋田市のソユースタジアムで開かれた。県内でしのぎを削り合ってきた西目と秋田商が激突し、西目が2-0で勝利を収めて12年ぶり14回目の全国出場を決めた。 【フォトギャラリー】西目 vs 秋田商 3年連続で暴風雨や雷雨に見舞われていた秋田県大会決勝戦。この日は秋晴れで絶好のサッカー日和となった。開始から立ち上がりでペースをつかんだのは黄色のユニフォームの西目。安田洋介監督が「良いテンションで試合に入った」と話したように、西目は赤のユニフォームの秋田商が送り込むロングボールのこぼれ球を回収し、矢印を何度となく前に向けて9分に先制する。左サイドへのロングボールをMF10嵯峨聖央(3年)がキープしてペナルティエリアに進入すると、ドリブルで対面するDFを振り切って左足を強振。このシュートがゴール右に決まった。 先制を許した秋田商は体制を立て直し、セットプレーでチャンスを作る。25分の右CKにDF4籾山怜央(3年)が合わせるが、このシュートは枠を捉えられなかった。 秋田商はセカンドボール回収で西目が優位に立つ状況をなかなか変えられず、守備の時間が長くなる。 西目は嵯峨との連係で左サイドから再三いい形を作っていたMF23佐藤琉(2年)が負傷で交代。MF8西澤陽(3年)が左にスライドすることになったが、勢いは衰えない。 西目は背後への狙いを見せつつ、パスをつないだりサイドチェンジをしたりして、前後左右に揺さぶりを掛けて追加点を奪う。39分。ペナルティエリアの右角周辺でパスをつなぎ、フリーになったDF2三浦樹(2年)が中央にクロスを送る。これをFW25佐藤一汰(2年)がスルーし、その奥でゴール前に飛び込んだ嵯峨がワンタッチで押し込んだ。 後半は秋田商が攻勢に出る。西目は前半同様の試合運びで秋田商業の攻撃の芽を潰していく。それでも秋田商は相手陣地で押し込んで攻撃回数を増やしていく。 後半23分には西目のチャンス。右からのクロスを途中出場のFW11伊藤蓮(3年)がフリック。あわや得点というシーンだったが、籾山がクリアして失点を許さない。 後半35分には秋田商のチャンス。右CKにMF21斎藤優斗(1年)が頭で合わせる。決定的なシュートはゴールポストに阻まれた。 秋田商はFW13鈴木周真(3年)を筆頭に、途中出場のFW7安藤愛知(3年)やMF17高橋俐貴(2年)らがドリブルとパスを織り交ぜてサイドから崩そうとする。しかし西目はDF4堀田昊生(3年)を中心にコンパクトな陣形を維持して隙を与えず、無失点でしのいで試合終了。インターハイに続き県内2冠を達成した。 足首の負傷で準決勝を欠場した嵯峨は「ここで活躍しなければどこでするんだ」という強い思いを胸に決勝に臨み、チームを勝利に導く2得点を挙げ「エースとして期待に応えられてよかった」と振り返った。 安田監督は選手たちに「高校サッカーは選手権予選で勝つのが絶対。今回負ければインターハイも失敗になる」と決意を伝えて今大会を制し、全国への切符を手にした。西目は12月にプリンスリーグ東北の参入戦が控えている。「そこで勝負しに行くことで選手権へのスイッチを入れたい」と安田監督は先を見据え、キャプテンの堀田は「ベスト16を目指して頑張りたい」と力を込めた。 (文・写真=竹内松裕)