ゴジラに家を壊された! 損失は「雑損控除」としてリカバリーできる? FPが天災を例にまじめに解説
ゴジラ映画シリーズ待望の新作「ゴジラ-1.0」が公開されました。大ヒット映画「シン・ゴジラ」以来、久しぶりの国産ゴジラ映画の本作は「永遠の0」などで知られるヒットメーカーの山崎貴が監督を手掛けています。 山崎監督らしい圧倒的なVFX技術によるゴジラ演出や、骨太かつ繊細なストーリー展開が話題を呼び、セールス的にも興行収入が11月19日現在で28億円を突破する破竹の勢いとなっています。 劇中では第二次世界大戦により荒廃した東京に、ゴジラが天災の如く現れ、莫大(ばくだい)な被害をもたらします。人々は再び絶望に突き落とされるのですが、このゴジラによる家屋などの被害は「雑損控除」の対象になることをご存じですか? 本記事では雑損控除の概要や、計算方法を解説します。もしゴジラに襲われたときのような被害が起きた際、少しでも経済的損失のカバーができるように雑損控除についてチェックしていきましょう。
ゴジラの被害は「雑損控除」の対象に!
これまで30作品以上の映画・アニメなどでゴジラ作品が製作されてきており、ゴジラは時に怖がるべき対象、時にヒロイックにとさまざまな描かれ方をしてきました。その中で今回の「ゴジラ-1.0」や前作「シン・ゴジラ」、そして原点である1954年公開の「ゴジラ」に関しては、正体不明の「天災」として描かれています。 制作スタッフは核実験や戦争、地震、津波など、小さな島国の日本ではあらがいようのない「社会問題≒天災」を「ゴジラ」という存在に置き換えて描いているのです。 そんなゴジラ(天災)による被害は、基本的に「雑損控除」としてリカバリーできると想定されます。まずは、雑損控除の概要について解説します。 ■雑損控除の対象被害 雑損控除とは所得控除のひとつで、税計算の際に所得から差し引くことで課税対象額を抑えられるというもの。地震や津波、雷、火災などによる被害が起きた際に適用可能です。国税庁によると、以下の図表1にあるようなケースが雑損控除の対象になります。 図表1