「定年制」はエイジズムにあたるのか? 少子高齢化が加速する社会の、シニア雇用を考える
編集後記
定年制は「廃止すべき」か「維持すべき」か。簡単に結論づけることはできない。私たちは、日々変化していく時代に合わせて最善の対応を模索し続けなければならない。年長者から得られる言葉や体験は、若い世代にとって大きな学びであり、知識となってまた次の世代への橋渡しとなる。世代を超えたコミュニケーションが企業の成長のカギになるかもしれない。 筆者の父は70歳を超えた今も、毎日元気に働いている。仕事に向かう父はどこか生き生きとしていて、そんな父をいつも誇らしく思う。働くことで得られるものは非常に多い。経済的な安定はもちろん、社会とのつながり、自身の成長、誰かの役に立っていると感じることで得られる幸福感。 日本では約3.9%の企業が定年制を廃止している(※6)が、大事なことは働く意欲のある人たちが、彼らの能力を十分に発揮できる環境が当たり前にあることだろう。誰しもが自由に仕事を選択できるという社会であり続けることを願ってやまない。
※1 立命館大学資料集「定年制と平均寿命」 (https://www.ritsumei.ac.jp/~satokei/sociallaw/compulsoryretirement.html#:~:text=%E5%AE%9A%E5%B9%B4%E5%88%B6%E3%81%AF%E3%80%81%E6%98%8E%E6%B2%BB%E6%99%82%E4%BB%A3,%E6%89%8D%E5%AE%9A%E5%B9%B4%E5%88%B6%E3%81%A7%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82) ※2 BBC China raises retirement age for first time since 1950s (https://www.bbc.com/news/articles/c62421le4j6o) ※3 独立行政法人労働政策研究・研修機構 「定年延長法成立、2016年から段階的に施行」 (https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2013_6/korea_02.html#:~:text=%E5%AE%9A%E5%B9%B4%E3%82%92%E5%BB%B6%E9%95%B7%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%8C%E9%9B%87%E7%94%A8,%E5%B9%B4%E3%81%8B%E3%82%89%E7%BE%A9%E5%8B%99%E5%8C%96%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82) ※4 Yohoo!Finance Meet Fortune500's most senior CEO's (https://finance.yahoo.com/news/meet-fortune-500-most-senior-110000513.html) ※5 厚生労働省 定例報告 第4節 英国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland) (https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kaigai/14/dl/t3-07.pdf) ※6 厚生労働省 令和4年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果 (https://www.mhlw.go.jp/content/11703000/000955633.pdf)