裏金問題立件見送…「力を持たない民が大きな変化を」元テレビ東京Pが『ジャンヌの裁き』に込めた思い
裏金疑惑「5人組」に関する審査申し立てを「検察審査会」が受理
1月12日よりテレビ東京系「ドラマ8」でスタートした玉木宏主演の連続ドラマ『ジャンヌの裁き』を観て、驚愕した。あまりにタイムリーでキワドイ題材を扱っていたためだ。 【画像】客単価は一人あたり2万円以上…!安倍派後見人・森喜朗元首相が「超高級ホテルで会食」写真 その題材とは、「検察審査会」である。 自民党派閥の政治資金パーティー問題で、安倍派幹部は全員不起訴となった。この問題に関して、今年1月にはSNSで「検察頑張れ」「検察は仕事をしろ」「検察は巨悪を眠らせるな」「検察は恥を知れ」などが日々トレンド入りし、その文言も状況に応じて刻々と変化していった。 さらに松野博一前官房長官、高木毅前国対委員長、西村康稔前経済産業相、世耕弘成前参院幹事長、萩生田光一前政調会長の「5人組」に関する審査申し立てを、市民団体「検察庁法改正に反対する会」が行い、検察審査会が受理したことが1月31日に報じられた。 いまだかつてこれほどまでに「検察」が一般市民の耳目を集めたことはなかっただろう。 『ジャンヌの裁き』は原作がない完全オリジナルドラマだが、このドラマのクレジットを見てさらに驚いた。 「企画協力・アドバイザー」は、桜美林大学芸術文化学群ビジュアル・アーツ専修の田淵俊彦教授。テレビ東京で37年間にわたり番組制作をし、福士蒼汰主演の『弁護士ソドム』(’23年4月期/テレビ東京)をはじめ、数々の法律モノのドラマも手掛けている。しかも、’17年にテレビ東京で『巨悪は眠らせない 特捜検事の標的』(原作:真山仁『標的』)をプロデュース。その主演で検事を演じていたのが玉木宏で、今回『ジャンヌの裁き』で「検察審査会」において検事と戦う主人公の少女漫画家・越前剛太郎役を演じている。 つまり、かつては巨悪を眠らせないよう奮闘していた検事が、今回は巨悪を眠らせようとする検事と「検察審査会」を通して戦う図式なのだ。 ◆桜を見る会の不起訴を「検察審査会」が差し戻したという話が新聞に… いったいなぜこんなにもタイムリーなドラマを、同じ玉木宏主演で? その経緯などについて、田淵俊彦教授に聞いた。 「私は’23年3月までテレビ東京に在籍していたんですが、在籍中の最後の企画が『ジャンヌの裁き』なんです。 企画したのは’21年末でした。その段階では金曜ドラマをリニューアルしようという話で、制作過程で放送順が前後して第1弾が『弁護士ソドム』になったんですが、この枠への出演として最初に乗ってくれたのが、玉木宏さんだったんです。 そこから何をしようかと考え始めた中で、玉木さんは’17年に検事をやっているから、今度はその逆、言ってみれば権力と戦う人をやろうと」