「もうお墓は要らない」と思った人へ。墓じまいトラブルあるある4選【元葬儀社社員に聞いた】
あるあるその3:誰のだかわからない遺骨が出てきた!
続いては、古いお墓にありがちなトラブルです。 たいていのお墓には、そこに祀られているのが誰なのかわかるように、墓石や骨壺の内側等に名前が書かれています。 しかし、古すぎるお墓は、墓石の文字がかすれてしまって読めないことも。 また、昔は出生自体を隠されていた人や、例えば居候や内縁関係など、何かしらの原因があって正式な親族と認められなかった人も少なからず存在しました。 そのような人がお墓に一緒に入っているケースも、実際にはあります。名前がわからない場合、手元に家系図があれば、家系図でチェックしていきましょう。 もしくは、お仏壇に先祖の名前を記してある過去帳や位牌があれば、それらを確認します。それでも誰だかわからないときは、菩提寺に聞いてみましょう。 檀家の名前、葬儀の記録が残っている可能性が高いので、判明する可能性があります。 お墓に入っているのが誰だかわからないからといって、ないがしろに扱ってはいけません。誰だかわからなくとも、祖先として関係のある大切な人に変わりはないのですから、丁寧にお祀りしましょう。 江戸時代や明治時代からのお墓がたくさんあって、それぞれを祀り切れないという際には、供養塔を建てて1カ所にお祀りするのも一案です。
あるあるその4:信教によりお墓参りができない!
同じ屋根の下に住む家族でも、信仰する宗教・宗派が異なると、トラブルに発展しやすくなります。 宗教・宗派によっては、他の宗教や宗派を受け入れない・受け入れようとしない場合もありますので、葬式の際はもちろん、墓じまいの際も注意が必要です。 葬式では、宗教・宗派が異なるために、ごくごく近い身内であっても参列できない、控室や屋外から見守ることしかできないというケースが、実は多くあります。 お墓参りについても同様です。今までは公共の墓地に祀られていたからお墓参りができたのに、墓じまいをして寺院の敷地に祀られてしまったため、手を合わせることもできなくなってしまった。 特定の信教の方々は、寺院の敷地にお墓があると足を踏み入れられず、お墓参りができません。 これは、おそらく信仰心の薄い方にはわかりにくい感覚かもしれません。身近に異なる信教の方がいらっしゃらなければ、あまり気にする必要のないことではあります。 しかし、もしそのような方がいらっしゃる場合には、墓じまいを考えていることを伝え、しっかりと相談してから取り組むようにしてください。
「お墓はもう要らない?」と思ったら、墓じまいは事前準備をていねいに!
墓じまいをすることを考えたときには、まずは自分以外の家族・親族にその旨を伝え、それぞれの意見を確認しましょう。 本当に墓じまいが必要なのか、今すべきか、後でもいいのか、どこに、どのようにお墓をまとめるのか。 それらを親族間でまとめたうえで、墓地の管理者・菩提寺・石材店に相談し、墓じまいを実行に移しましょう。 一度墓じまいをしてしまうと、やり直すことは困難ですので、事前準備をしっかりと行って取り組むことをおすすめします。
佐橋 ちひろ