運転免許証を自主返納したら、“身分証明”はどうなる? プロが教える手続きの流れ
自主返納をためらうのはなぜ?
ただ頑固になっているだけじゃない。返納したくない理由を考えてみましょう。 【理由①】車がないと生活が不便...... 自主返納をためらう理由として一番多いのが、生活するうえで必要不可欠だからというもの。買い物や通院など、日常的な外出時の移動をすべて車で行なっているという方にとって、車はまさに「自分の足」そのものです。 まずは、車を手放すと行動範囲が狭まってしまう、と不安になる気持ちを理解するように努めてください。 そのうえで、車に代わる移動手段を考えます。公共交通機関だけでなく、地域の乗合バスが利用できたり、医療・介護施設、スーパーや美容院などが送迎サービスを行なっている場合もあります。相談を進めながら、車以外の移動手段を使った買い物や通院に付き添ってみて、所要時間や代金、使用感を確かめるのもいいでしょう。
【理由②】代わりの手段を調べるのが難しい スマホやパソコンを使える方であれば、ウェブ上で利用したいサービスを検索できますが、小さな文字が見づらい、操作がわからない、と感じる方も多いです。返納を勧める方が、一緒に検索や利用案内の確認を行なうようにするといいでしょう。 また、返納を機にスマホやパソコンの操作を覚えてもらえば、ネットスーパーや通販の利用にもつながります。とくに、地方在住の方はスマホやパソコンを使えると、生活の自由度がぐっと上がります。 もちろん電話や、LINEなどのSNSを使ったメッセージやテレビ電話で、離れて暮らす家族と頻繁に連絡を取れる点でも有用です。
【理由③】タクシーやバスの料金が高い! タクシーや乗合バスは料金が高くて利用しづらい、という方もいます。そんな時は、自家用車の維持費と代替手段の利用料を比較してみましょう。 税金やガソリン代、保険料などを足すと、自家用車を1台運用するのに、月におよそ4万円かかるとされます。この費用を、1回500円と想定した乗合バスの利用料金に置き換えると、月に80回、往復利用でも40回乗れることになります。 外出の目的や頻度、料金や利便性などを鑑みて、自家用車の運用費と代替手段の利用料を比較検討してみてください。代替手段の料金は高いとは限らないはずです。