「醜い戦い」自国メディア酷評も…オーストラリア監督が本音「日本からチャンス作るのは難しい」シュートわずか1本“弱者のサッカー”を選んだ理由
サッカールーズことオーストラリア代表にとって、10月15日の日本戦はターニングポイントとなっただろう。彼らのアイデンティティを語るうえでも、W杯最終予選を戦い抜くうえでも、である。 【写真】「やってしまった…」オウンゴール献上の瞬間、谷口彰悟の表情が切ない…三笘薫「残像ドリブル」やスタジアムで発見“あのアイドル”など現地写真を一気に見る(全35枚)
はっきりと「守備に軸足を置いた」オーストラリア
9月5日の開幕戦で、バーレーンにホームで0対1の苦杯をなめた。同10日のインドネシア戦は、スコアレスドローに終わった。低調なスタートを受けて、オーストラリアは監督交代へ踏み切る。2018年7月からチームを指揮してきたグラハム・アーノルドに別れを告げ、トニー・ポポビッチにチームを託したのだった。 新監督には大きな期待が寄せられるものだが、51歳の指揮官にできることは少なかった。数回のトレーニングセッションで10月10日に中国と戦い、日本へ移動して15日にアウェイゲームに挑むスケジュールでは、できることに限りがある。 かつてサンフレッチェ広島に在籍し、日本代表の森保一監督とともにプレーした元センターバックは、短い時間のなかでシステムに手を加えた。アーノルド体制の4バックから、3-4-2-1へ変更したのである。9月の2試合では失点を「1」しか許していなかったから、これはもう日本とのアウェイゲームを意識したものだったはずだ。 日本から勝点3を奪うことができれば、2試合の出遅れを取り戻すことはできる。だが、真正面から撃ち合って敗れると、自分たちが勝点3を逃すだけでなく、日本に勝点3を与えることになってしまう。日本の独走を許すことになる。これ以上勝点を離されないためにも、守備に軸足を置いた戦いこそは現実的な選択肢だったと言える。 果たして、埼玉スタジアムのピッチに立ったオーストラリアは、守備時に5-4-1へ可変するシステムで臨んできた。2シャドーのアイディン・フルスティッチとライリー・マッグリーも、1トップのミッチェル・デュークも、前線からのチェイシングとプレスバックを繰り返す。ボールを奪っても日本に即時奪回され、自陣から脱出できない時間が続いても、オーストラリアの選手たちが落胆をにじませることはない。自分たちの左サイドで久保建英と堂安律のコンビネーションに翻弄され、右サイドで三笘薫に突破を許すこともあったが、0対0のまま時計の針を進めていった。
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