レアル・マドリードは“ダイヤモンド”を手放したのか? セスク監督に磨かれ、メッシに認められた20歳の輝き
アルゼンチン代表デビューを飾ったMFニコラス・パス(コモ/イタリア)について、スペイン紙『マルカ』が特集を組んだ。 レアル・マドリードは“ダイヤモンド”を手放したのか。15日に行われたFIFAワールドカップ26南米予選第10節ボリビア戦でアルゼンチン代表デビューを飾り、さらにFWリオネル・メッシのゴールをアシストしたニコラス・パス。試合後、そのメッシは「彼は素晴らしい子供で、僕が知っている監督の下で育っている。年齢以上に、素晴らしいインテリジェンスの持ち主だ」と称賛した。アルゼンチン代表、そしてコモで活躍するたびに、先の疑問はついてくるだろう。 2004年9月8日生まれのニコラス・パスは現在20歳。テネリフェなどでプレーし、アルゼンチン代表としてフランスW杯にも出場した実父を持ち、13歳からレアル・マドリードのカンテラに在籍した。2022-23シーズンにカスティージャ(Bチーム)に到達すると、昨年11月に行われたチャンピオンズリーグのブラガ戦でトップチームデビュー。さらに、第5節ナポリ戦では低弾道ミドルから初得点を記録していた。 そんなアルゼンチンの“新星”は今夏、セリエAに昇格したばかりのコモに移籍するという大きな決断を下した。より多くの出場機会を求めるために。事実、セスク・ファブレガス監督の信頼を勝ち獲り、それが正しかったことを証明している。『マルカ』は、加入後最初の2試合は途中出場だったが、第4節ボローニャ戦以降はスタメンに定着していることについて「セスクは彼に無理をさせたくなかった」としつつ、「ただ、そのプレーを前にして、もはや自分を抑えきれなくなった」と述べた。 また『マルカ』によると、第7節終了時点で2アシストを記録するとともに、90分あたりのシュート数(4.09本)、枠内シュート数(1.05本)、ドリブル成功数(2回)、チャンスメイク数(4.7回)でセリエAのトップ10に入っていると言及。続けて「中盤でプレーする自由を与えられた彼は、恵まれた体躯と卓越したテクニックを持ち、ボールを扱うときの姿は、まるで絵に描いたコモ湖で舞う白鳥のようだ」と流麗なプレーぶりに賛辞を送っている。 セスク監督に磨かれ、メッシに認められた“20歳”の輝きが増している。ボリビア戦後、「人生で最も美しい日のひとつだよ。夢のようだ」と万感の思いを口にした同選手のキャリアは始まったばかり。2013年夏にレヴァークーゼンからレアル・マドリードに復帰した右SBダニエル・カルバハル以来、絶対的主力となったカンテラーノは存在しないが、ニコラス・パスが再び白亜のシャツに袖を通す日はやってくるのだろうか。
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