【現代シニアの貯蓄&年金事情を考える】70歳代の貯蓄額と年金世代の平均受給額をチェック
高齢者(66歳以上)の貧困率は何パーセント?
男女共同参画局の「男女共同参画白書 令和6年版」によると、高齢者(66歳以上)の相対的貧困率は以下のとおりとなっています。 ・高齢者女性の貧困率:22.8% ・高齢者男性の貧困率:16.6% ・OECD平均の高齢者女性の貧困率:16.5% ・OECD平均の高齢者男性の貧困率:11.1% 貧困率は男女どちらもOECDの平均の貧困率を上回っています。 特に女性は22.8%と高く、韓国、オーストラリア、アメリカに次ぐ結果となっています。男性も韓国、アメリカ、メキシコ、オーストラリアに次ぐ順位で、男女ともに貧困率は比較的高めといえるでしょう。 また、厚生労働省の「令和4年度国民生活基礎調査」では、65歳以上の高齢者世帯のうち、48.3%が生活が苦しいと感じていることも明らかとなっています。 〈高齢者世帯の生活意識〉 ・大変苦しい:18.1% ・やや苦しい:30.2% ・普通:45.1% ・ややゆとりがある:5.8% ・大変ゆとりがある:0.8% 高齢者の約半数が生活の苦しさを感じていることから、貯蓄や年金があってもお金のやりくりは厳しい状況が続いていることがわかります。 では、次章では60歳代・70歳代・80歳代の厚生年金の平均年金月額を確かめてみましょう。
【厚生年金】60歳代・70歳代・80歳代の平均年金月額はいくらか
ここからは、シニアの収入の柱となる厚生年金の平均年金月額を一覧で見ていきましょう。 60歳代の平均年金月額は、以下のとおりです。 ●60歳代の平均年金月額 ・60歳:9万4853円 ・61歳:9万1675円 ・62歳:6万1942円 ・63歳:6万4514円 ・64歳:7万9536円 ・65歳:14万3504円 ・66歳:14万6891円 ・67歳:14万5757円 ・68歳:14万3898円 ・69歳:14万1881円 ●70歳代の平均年金月額 ・70歳:厚生年金14万1350円 ・71歳:厚生年金14万212円 ・72歳:厚生年金14万2013円 ・73歳:厚生年金14万5203円 ・74歳:厚生年金14万4865円 ・75歳:厚生年金14万4523円 ・76歳:厚生年金14万4407円 ・77歳:厚生年金14万6518円 ・78歳:厚生年金14万7166円 ・79歳:厚生年金14万8877円 ●80歳代の平均年金月額 ・80歳:15万1109円 ・81歳:15万3337円 ・82歳:15万5885円 ・83歳:15万7324円 ・84歳:15万8939円 ・85歳:15万9289円 ・86歳:15万9900円 ・87歳:16万732円 ・88歳:16万535円 ・89歳:15万9453円 ※65歳未満の厚生年金保険(第1号)の受給権者は特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより報酬比例部分のみのもの ※いずれも国民年金部分を含む 受給が本格的に開始される65歳以降を見てみると、年金平均月額は年齢を重ねるにつれて14万円台後半~15万円台まで微増しています。 しかし、総務省統計局の「家計調査報告」によれば、65歳以上の高齢者の消費支出は夫婦世帯で 25万959円、単身世帯で14万5430円ですから、年金だけで支出を賄うのは厳しいでしょう。 生活支出とのバランスを考慮すると、年金を増やしたり貯蓄をしたりといった工夫が必須といえます。