時間帯で変わるセンターライン、分かりにくいので廃止…静岡の国道1号で逆走や正面衝突発生
時間帯によってセンターラインの位置が切り替わる静岡市内の国道1号に設置された「中央線変移システム」が、来年1月に廃止されることになった。静岡県警が発表した。分かりにくさに起因した逆走事故が起きていたほか、老朽化による誤表示もあった。
システムは1978年、渋滞解消のため、同市葵区南安倍―同市駿河区手越原の約2キロの区間に、県内で唯一設置された。朝の通勤時間帯を含む午前0時から正午までは静岡市方面に向かう道路が2車線、夕方の帰宅時間を含む正午から午前0時まで藤枝市方面が2車線となる。
県警交通規制課によると、国道1号バイパス開通や静岡大橋の供用開始などにより、交通量は2020年にはピークだった85年の57%まで減少していた。一方で、時間帯により走行車線が異なる分かりにくさから、事故の要因となっている可能性も指摘されていた。
23年には区間内で20件の交通事故が起きたほか、過去には正面衝突による死亡事故も発生。12日も正午を境に中央の車線の進行方向は逆向きになり、誤って反対車線にはみ出しそうになる車があった。
老朽化により誤表示などのトラブルもあり、11日朝には静岡市方面が2車線になっているはずの午前中も、1車線と表示されるトラブルがあった。
県警は来年1月中旬に廃止し、右折レーンにする一部区間を除き、時間帯に関係なく静岡市方面に向かう車線を2車線とする。工事は1月中旬~2月末に行われる予定。県警は「工事中は車線規制で混雑が予想されるので余裕を持って通行してほしい」と呼びかけている。