ルノーアルカナはロングドライブが得意!? 実際に約3000km走ってみたら、その理由がよく分かった。
ルノーのフルハイブリッドはアルカナから始まった
今回の試乗期間は連休が重なったので、せっかくのこの機会に家族サービスも兼ねて超ロングドライブを実施。車両は長距離ドライブが得意なフルハイブリッドのルノーアルカナEテック エンジニアードだ。東京→岡山→奈良→東京→岩手→青森→東京と約3000km走行。長距離ドライブで見えてきたアルカナの印象をお伝えしたい(Motor Magazine 2024年7月号より)。 【写真はこちら】モーターのアシストが絶妙!力強く、そして軽やかに回転が上がっていく(全8枚) 輸入車で唯一のフルハイブリッド搭載モデルをラインナップするルノー。「Eテック」と呼ばれるF1で培った技術を投入したいわゆるシリーズパラレル式のハイブリッドシステムである。現在のラインナップはルーテシア、キャプチャー、アルカナの3タイプが用意されているが、日本へのEテック導入は、このアルカナから始まっている。 本誌でもデビュー時に取材し、2022年9月号では表紙を飾ったこともある。それ以降に追加されたマイルドハイブリッドモデルも2023年4月号、新グレードの「Eテックエンジニアード」も2023年9月号に登場している。 私もちょうどデビュー時に取材を担当しており、撮影のために運転する機会もあったが、その時からルノーらしいしなやかな足まわりとハイブリッドによるモーターのスムーズな走りで、楽しく、ラクに移動できるクルマという印象を持っていた。 今回の約1ヵ月のテスト期間では、長距離移動する予定が重なったこともあり、この機会にまだ試乗したことがなかったEテックエンジニアードに乗ってみることにした。長く乗ることで、アルカナの印象を再確認したかったからだ。
ひときわ鮮やかな存在感を放つアルカナのデザイン
あらためて実車を見ると、スタイリッシュなクーペの車高をそのまま上げたような独創的なスタイリングがひときわ存在感を放つ。 ボディサイズは全長4570×全幅1820×全高1580mmと大きすぎず、最小回転半径も5.5mと比較的取り回しは良い。そのため、住宅地でもボディサイズを意識せずに、走ることができる。万が一の時には360度カメラも搭載しているので、安心である。 室内空間は、身長180cmの筆者がゆったりとしたポジションをとっても後席にはゆとりがあり、大人4名がゆったりと座れる。 ラゲッジルームは奥行きがあるが、デザインを見ればわかるように、後端部になるほど高さがなくなるので、高さがある物を積むときは注意が必要だ。とはいえ、今回は家族4人分の長期旅行の荷物+遊び道具を積んでもご覧のように余裕があった。 一般路を40~60km/h程度で走れば、ほぼモーターでの走行となるので、BEVのようにスーッと滑らかに走る。ハンドルは軽めで、切り込んだ瞬間から応答性も追従性も良く、車線変更やコーナリングが気持ち良い。前述したとおり、足まわりはしなやかだが、しっかりと路面を捉えて追従してくれるから、メガーヌなど背の低いルノー車と同様にスポーティな味付けで、その走りの楽しさは街乗りレベルでも十分に感じることができる。 一方で今回のような長距離移動では当然、高速道路の走行がメインとなる。100km/h巡航ではエンジン走行に切り替わるはずだが、思っていた以上にEV走行(バッテリー残量にもよる)してくれる。坂道や加速する場面などで時折エンジンが始動して唸ることはあるが、モーターのアシストが加わると、力強く、そして軽やかに回転が上がる。さらに速度域が上がってもEテックエンジニアードに取り入れられたフロントバンパーのエアディフレクターのおかげか、直進安定性は高く、高速域でもビタッと安定しているから、気持ちよく走ることができた。 先進装備はACCの他にハイウェイ&トラフィックジャムアシストなど、安全・運転支援機能も充実しているのは最新モデルならではで、安心してドライブができる。