廃部寸前だった本庄第一高校卓球部が“普通の講習会”を開催し、出られなかったはずの団体戦で優勝するまで
「廃部から救えないのか」何もできないまま時間だけが過ぎる
「もうこのまま本庄第一高校の卓球部は廃部になってしまうのかな…」。 インターハイダブルス準優勝、関東大会での優勝…数え切れないほどの輝かしい実績を持つ卓球部が廃部にされ無かったことにされてしまう。 「先輩達が築き上げた伝統のある素晴らしい卓球部を廃部から救えないのか。まだ何かできるのではないか…」。 そう思いながらも時間だけが過ぎていました。 2023年6月には1つ上の先輩(男子6人、女子2人)が引退し、私の娘と鈴木さんの2年生女子部員2人だけが残されました。人数不足で団体戦では戦えず、試合中に観客席から応援してくれる仲間もいませんでした。
廃部まであと4ヶ月のタイミングで鳴った1本の電話
署名提出から1年近く経った、2023年12月3日。顧問の新井先生から一本の電話ありました。 「卓球部の廃部が白紙になりました!」 何が何だかすぐには理解できませんでした。話を聞くと、管理職会議で署名の話が出て、部の存続について話し合われた結果とのこと。 署名提出からずいぶんと時間が経過していましたが、卓球部が存続できる道を学校側が考えてくれたようでした。廃部まであと4ヶ月というぎりぎりのタイミングでの出来事でした。
SNS上での温かい声
私はすぐにTwitterでこの件を報告しました。ありがたいことに、たくさんの方々から祝福の声がどんどん寄せられ、嬉しいDMもたくさん届きました。 「本庄第一高校の卓球部のために何か協力したい!」と申し出てくれる方もいました。 そのDMの中には、今回の講習会を企画してくれた多田さんからのメッセージがありました。 卓球部の存続の活動に共感してくれた多田さんは新入部員募集のためのイベントを考え、今回の豪華講師陣の講習会を開催してくれたのです。
ついに迎えた講習会当日
ついに講習会当日。受講生は中学生がメインで25名ほどでしたが、本庄第一卓球部の卒業生も手伝いに来てくれ、盛況となりました。 出澤選手と堀本さんの模範試合のあと、部員2名がダブルスの試合をしていただきました。 2人にとっても、親の私にとっても一生忘れられない最高の思い出となりました。 しばらくすると、群馬県で開催されていた新体連全国大会の帰りの王子サーブの名手・多田浩嗣さんが到着しました。 滑らかな美しいフォームから繰り出されるキレ味鋭い王子サーブに参加者全員が驚いてました。ちなみに多田さんはこの日の全国大会で3位に入賞したそうです。講習会の参加者からも祝福の拍手がありました。 堀本さんにはカットマンの選手の指導をしていただきました。長身でイケメンの堀本さんのプレーに、子供達みんな釘付けになってました。質問に対して実際にプレーで分かりやすく説明をしてもらい、とても分かりやすい指導でした。 出澤選手には7対7からのチャレンジマッチをしていただきました。最後は終了予定の時間を少し過ぎてましたが参加者全員との勝負が終わるまで試合を続けてくれました。 楽しい時間は早く過ぎるもので、あっという間の2時間が過ぎました。記念に参加者全員で集合写真を撮影。あとで先生から送っていただいた写真を見ると、子供達も大人もみんな笑顔で写ってました。