年収400万未満はお断り? 最近の「車中泊」なぜ年収600万以上が興味を持つのか?
車中泊の問題点
車中泊で一番問題とされやすいのは、「健康問題」である。 トヨタ自動車の「車中泊避難ヘルプBOOK」(2023)によれば、新潟中越地震や熊本地震でエコノミークラス症候群を発症した人の車中泊率が高かったという。40代から60代の女性を中心に発症したのが、 ・車の中で長い時間同じ姿勢を取る ・トイレ環境の悪さから水分摂取を控える ・避難時の足のケガや打撲がある と、血栓ができやすくなるそうだ。熱中症、一酸化炭素中毒のリスクもあるし、浸水の危険等についても注意を支払う必要がある。とはいえ、避難所にいても、エコノミークラス症候群は発生するし、熱中症も発生する。 2017年の内閣府の調査では、全国自治体において、車中泊等の避難者を想定した対応策を検討していないところが54.8%あった。 自治体サイドからすると、車中泊は状況把握がしづらい。熊本地震においても、 ・夜間のみ駐車場に戻ってくる人 ・点々と場所を変更する人 がいたことから、人数把握が難しかったという。物資配布等にも影響がある。国としては実情を踏まえ、車中泊避難者の支援において、 「行政が実施すべきところをどのように考えるか」 投げかけているところのようである。 今後車選びをする際は、災害避難の点からも考える必要があるかもしれない。
古宮宗(フリーライター)