年収400万未満はお断り? 最近の「車中泊」なぜ年収600万以上が興味を持つのか?
キャンピングカーの需要
居住性をさらに高めるとなると 「キャンピングカー」 にたどり着く。キャンピングカーの価格は、他の車種同様、最近上がっている。エンジンをかけずとも電化製品を使えるバッテリーや空調といった装備品を含めて1000万円を超えるものがメインになってきているという(2024年5月21日付、日本経済新聞)。 それでも2023年のキャンピングカー販売売上総額は、新車・中古車を合計して過去最高の1054.5億円(対前年比138%)を記録した(2024年2月2日付、日本RV協会)。 国内キャンピングカーの保有台数は、2022年より1万台増えて15万5000台となった。2005(平成17)年の5万台から3倍になっている。 旅行目的が76.3%でキャンプ(8.5%)、アウトドア(7.9%)を含めてもレジャー目的が多いわけだが、 「災害時の住居」 「テレワークが出来るオフィスとしての利用」 といった関心も高まっていることも見逃せない。
災害時の車中泊
実際、災害時の車中泊利用の割合が高かった例がある。2016年4月に発生した熊本地震において、 「避難者が避難先とした場所」(複数選択可能) として、回答者800人の74.5%が車中泊を経験した(2023年10月25日付、内閣府『車中泊避難者への支援について』)。 これは、自宅(50.9%)、避難所(45.3%)、親戚や知人宅(18.4%)を大きく上回っている。なお、テント泊は1.5%にすぎなかった。 最初から避難所を利用した人は16.6%に過ぎず、最初から車中泊・テント泊等に避難した人は52.9%と圧倒的に多い。 また、避難所から車中泊等に切り替えた人が14.6%いたのに対し、逆に車中泊等から避難所に切り替えた人は7.5%にすぎなかったことから、車中泊にいかに需要があるかがわかる。 車中泊をする理由には、以下が多い。 ・余震が怖いので避難所に避難したくなかった ・老人・幼い子ども・ペットなどがいるため ・プライバシー確保 ・感染症対策 ・避難所がいっぱい ・空き巣対策や車に積んだ財産管理のため 場所は、防災倉庫や耐震性貯水槽がある「都市公園」、駐車スペースが広い「大型商業施設」が多かった。