「東京レガシーハーフ」完走。水泳メダリスト・入江陵介はなぜ、マラソンに挑戦するのか?
レース前ならではの緊張感、ワクワク感を久しぶりに味わえた
――2024年4月の引退会見で、「マラソンに挑戦してみたい」とおっしゃったのがきっかけで、今回、レガシーアンバサダーに選ばれたと伺いました。もともと走ることは好きだったのでしょうか? いえ、これまで走ったことはほとんどなくて。アンバサダーのお声がけをいただいた時は、大会メインビジュアルのコピー同様、「ハーフなら、ギリいけるかも。」という気持ちでした(笑)。 ケガのリスクを考え、水泳以外のスポーツはずっと避けてきましが、引退したら、マラソンや富士山登頂、スキーといった冬のスポーツなど、今までできなかったことに挑戦したいと思っていました。なので、アンバサダーに選んでいただけて嬉しかったですし、今後いろんなことにチャレンジする良いきっかけになる気がして、すぐにお引き受けしたんです。 何より新たな目標ができたのが大きかったですね。これまでずっと、競泳に関する夢や目標は持っていましたが、現役を引退したことで、それはなくなりました。でも、何か追いかけるものがあったほうが、毎日が充実する気がします。 競泳とはまったく違う種目ですが、昨日は久しぶりに、レース前の緊張感と不安が入り混じった気持ちになれました。こういうワクワク感とかドキドキ感って、日常ではなかなか味わえないというか……。スポーツ独特のものなのかなと、改めて感じました。 ――走るトレーニングは、大会参加が決まってから始めたのですね。 そうなんです。オファーをいただいてから今日まで5ヵ月くらいはあったんですが、暑い時期だったこともあり、10km以上走ったことがなくて。トレーニングは、ジムで5kmくらい走るのが中心でした。 練習会に2回ほど参加させていただき、最初に神野(大地)さんからアップのしかたなど基本を教わりましたが、その後のトレーニングはほぼ自己流。パリ五輪の仕事もあって、トレーニング時間も、なかなか確保できませんでした。だから、我ながら練習不足だなと思いながら、今日、ここにやって来たんです。 競泳は、無重力の水の中でやるスポーツ。なので、陸上を走ることで、膝や足首がそれまで感じたことがないような衝撃を受け、痛めやすいと言われていたのですが、その通りでした。実は、僕も少し前から膝を痛めていて。今日なんとか無事に完走できて、ホッとしています(笑)。