「東京レガシーハーフ」完走。水泳メダリスト・入江陵介はなぜ、マラソンに挑戦するのか?
2024年10月20日、「東京レガシーハーフマラソン2024」が開催された。そのレガシーアンバサダーに選ばれ、人生初となるハーフマラソンに挑戦したのが、元競泳日本代表の入江陵介氏だ。見事完走を果たした入江氏に、ハーフマラソンに挑戦した理由と現在の心境について話を聞いた。 【写真】ハーフマラソンに挑戦する、水泳メダリスト・入江陵介
「東京オリンピック2020」で高まったスポーツ機運を維持すべく、2022年から開催されている「東京レガシーハーフマラソン」。第三回となる2024年度は、国内外のトップアスリートや車いすやブラインドのパラランナー、市民ランナーらと約1万5千人が参加。入江氏はそのひとりとして、国立競技場をスタート。外苑西通りから靖国通り、外堀通り…と都心を駆け抜け、観客に手を振りながら、国立競技場トラック内のゴールをきった。
声援に後押しされ、初ハーフマラソンで1時間54分を記録
――21.0975km完走、おめでとうございます。記録は1時間54分05秒でしたが、今の心境はいかがですか? 練習では、5分半/kmくらいのペースだったので、それより早いタイムでしたね。スタート地点では、ものすごくたくさんの人がいて、なかなかペースが摑めなかったんですが、それでも、終始一定のペースで走れたので良かったかなと思います。 経験者の方々からは、「落ち着いて入った方がいいよ」とアドバイスいただいていたんですが、自分では落ち着いていたつもりが、最初からペースを上げていたみたいで(笑)。だけど、あまりきつくはなかったですね。10km地点でも、けっこう余裕だった気がします。 ――国立競技場内の観客はもちろん、沿道にも多くの方々が応援にいらしていましたね。練習以上の力を発揮できたのは、そうした声援に後押しされたのでしょうか? それはあると思います。競泳でも、たくさん応援していただきましたが、泳いでいるとちょっと聞こえづらいですし、声援を受ける時間は長くてもせいぜい2分弱。今日みたいに2時間ずっと声援を受けるというのは、まったくなかったので。 とくに印象的だったのは、先に折り返し地点を通過したトップランナーの皆さんが、すれ違いざま、他のランナーや車いすランナーの方々に向けて「頑張れ!」と声をかけていらっしゃったこと。僕自身も、いっしょに走っているランナーの方々と「初めてですか?」なんてコミュニケーションをとらせていただきましたが、走っている間中、ずっと素敵な光景を見させていただいたなと思います。 ――今回のコースは、国立競技場を出発し、新宿御苑、四谷、市ヶ谷、神田神保町を通って、日本橋で折り返し、再び国立競技場を目指すという、東京の真ん中を通るルートでしたが、いかがでしたか? すごく新鮮でした。道路の真ん中を走るなんて、人生で初めての経験でしたから(笑)。道路が閉鎖され、車はまったく走っていないけれど、信号の「→」は点灯していて。なんだか、信号機まで応援してくれているように感じて、楽しかったですね。本当に貴重な機会をいただけたと、感謝しています。