最高級ホテル並みの住空間を設計する建築家・八木惣一郎さんが感動したホテルはスリランカの超名作建築!
デザイン上のノイズを徹底的に排し、ストイックで上質なラグジュアリー空間を創出する八木惣一郎さん。端正な建築は最高級ホテルの空間と親和性が高いように感じます。 そんな八木さんが感動したホテル、さらにいつかの訪問を憧れている宿についてお聞きしました。 【写真で見る】建築家・八木惣一郎さんが感動したホテル、憧れの宿
1.八木さんがこれまでで、最も感動したホテル「ヘリタンス カンダラマ」(スリランカ)
スリランカが生んだ巨匠、ジェフリー・バワの名建築として知られるホテルです。湖と山間に立つホテルは1994年に完成しました。以来、世界中のゲストから憧れ続ける存在です。 「エントランスのレセプションカウンターをはじめ、共用部分の大半がオープンエアで設計されており、周辺の自然環境を感じられるつくりが素晴らしいです。建物内に貫入する元々そこにあったとされる岩や迫りくる樹木、客室テラスに訪れる野生動物などの近景から、遠くまで見渡せる奥行きのある遠景に至るまで、環境との多様な関係性も素晴らしかったです」と八木さんは滞在を振り返ります。
2.八木さんが感動した日本の宿「奈良ホテル」(奈良)
日本有数のクラシックホテル「奈良ホテル」は、1909年創業。 東京駅の設計者として知られる辰野金吾が手掛けた建築も見どころが多数で、「関西の迎賓館」として国内外から多数のゲストを迎えてきました。 「多用された木の仕上げに長い歴史が染み込み、圧倒的な重厚感と説得力をもつ点がこのホテルの大きな魅力です。 落ち着いた丁寧なつくりの空間は、長年大切に扱われてきた独特の雰囲気を醸し出し、その歴史を感じることができます。庭に面したこじんまりとしたティーラウンジで、ゆったりとした時間を楽しむこともできます」
3.八木さんが憧れるホテル「アマンギリ」(アメリカ)
八木さんが憧れる海外のホテルはグランドキャニオンなど深い渓谷を抱く地に立つアメリカ・ユタの「アマンギリ」です。 「圧倒的な自然と静寂に包まれた空間で過ごす時間は、ただそれだけで訪れる価値があると感じます。恐怖さえ感じるほどの大自然のなかでの体験は、特別なものになりそうです」
「そのホテルや宿がもつ固有の価値を“体験”として感じられる場所」が、よいホテル・宿の判断基準と話す八木さん。客室内の限られたスペースの使い方なども気になるそうです。周辺環境も含めて、その地での唯一無二の体験を貴重なものとして求める姿勢は、建築家として至極納得のアプローチに思えます。