【きのこを深掘り】鍋に入れるタイミングはいつ?「基本的にお安め」うれしい食材だが『生産者に悩ましい一面』も 注目のマツタケ生産国知ってる?
きのこが美味しい季節になりました。栄養豊富でありながら、他の野菜に比べて大きく値上がりせず、「新・物価の優等生」とも言えるきのこ。しかし安さの秘密を調べていくと、この安さはそう長くはないかもしれません。そんなきのこに関する“アレコレ”をまとめました。 【写真で見る】きのこの栄養を他の食材と比較すると…?
食卓彩る「お安い」きのこ 安定生産ゆえ…悩み
ホクト株式会社のHPなどによりますと、きのこの栄養面の特徴①「カロリーが低い」。食パン248キロカロリー、ご飯156キロカロリーに比べて、エリンギ・ブナシメジで18キロカロリー、マイタケで14キロカロリーです。特徴②「食物繊維が豊富」。生どんこなら4.7グラム、マイタケで3.3グラム、ブナシメジ2.9グラムとなっています(いずれも生100グラムあたり)。 国内きのこ生産は、ブナシメジ・エリンギ・マイタケは9割以上が工場生産で、エノキ・シイタケは個人農家などが主に室内で栽培しています。つまり、天候に左右されずに生産量が安定している、というのがきのこ類。そういう意味では野菜でありながら、飲料や菓子類のような生産のされ方です。 値段は「基本的にずっとお安め」です。野菜の値段は、作り手が決められず市場で決まりますね。だから野菜の生産量が少なければ高く、多ければ安くなるんですが、きのこは先ほどの説明通り、安定的にたくさん作れてしまうがゆえ「お安め」だそうです。
のしかかる原油高
しかし今、原油高の影響で生産コストが上がっています。生産業者はきのこの値段を上げたいと思っても、市場の判断として高くはならない。大手の「ホクト株式会社」は国内で33工場が稼働して、年間約3000トン生産しています。2022年は電気代だけで年60億円かかって赤字になったそうです。 この10月には飲料や菓子など2911品目をメーカーが値上げしましたが、きのこは同じようにはできないそうです。スーパーの人に話を聞くと「100円超えると急に売れなくなる」と話していました。ホクトの場合、昨年は泣く泣く、「5%減産」して、市場に少し減ったことで、ちょっと値上がりしたということです。