絶景とゴルフ、ワイン、アート……メルボルンっ子の楽しみモーニントン半島
初めてオーストラリアに行ったのは今から12年前。シドニーを中心に回った撮影だったので、ここに滞在したのはわずか1日。記憶に残っているのは、波打った屋根が夕日に照らされたサザンクロス駅。移動の慌ただしさから、ほっと一息ついたホテルの窓から見えた風景だ。 英国のエコノミスト誌の調査部門で「世界で最も住みやすい都市」に7年連続で1位に選出されている街、オーストラリアのメルボルン。昨年日本からの直行便も増え、観光でも注目されているという。“世界一住みやすい街”とは一体どんなところなのだろうか。あれから12年、そんなメルボルンの街を再び旅した。
週末の土曜日、メルボルンの市街から南へポートフィリップ湾を囲むように延びるモーニントン半島へ向かった。車で1時間も走るとあちこちにぶどう畑が見えてくる。まずはアーサーズシートにあるモーニントン半島の最頂点をめざした。真新しいブルーのゴンドラに乗り込み10分ぐらいすると、緩やかに弧を描くモーニントン半島とポートフィリップ湾が眼下に広がってきた。快晴に恵まれたこの日は真っ青な海が鮮やかだ。
そこから少し足を延ばした所にあるペニンシュラホットスプリングス。天然の温泉である。ここのオーナーは日本在住中に温泉に魅了され、その後も世界の温泉をめぐり、この地に温泉が見つかったことを機に作ったという。緩やかな丘陵を利用して様々な露天風呂があり、山頂のお風呂からは半島の絶景が見渡せる。
車で1時間ほどのモーニントン半島には、有名なゴルフコース、ワイナリー、レストラン、アートギャラリー、ヨットハーバーなどが多く点在している。メルボルンっ子にとってモーニントンを訪れることは、休日休暇の楽しみの一つだそうだ。(つづく) ※この記事はTHE PAGEの写真家・倉谷清文さんの「フォト・ジャーナル<世界で最も住みやすい街メルボルンへ>倉谷清文第11回」の一部を抜粋しました。 (2018年3月撮影・文:倉谷清文)