Google、AI技術で検索結果の99%をスパムから保護
Googleは26日、Google 検索機能に関する説明会を行なった。Google 検索のチーフサイエンティストであるパンドゥ・ナヤック氏が、検索の基本的な仕組みや、AI技術の活用について解説した。 【この記事に関する別の画像を見る】 ナヤック氏は、検索エンジンが「情報のインデックス化」「クエリの理解」「関連性の高い結果のランキング」という3つの柱で構成されていると解説。まず、Web上のページをクローリングし、インデックスを作成することで情報を整理する。次に、ユーザーのクエリを理解し、最後に高品質で信頼性のある情報を提供するためにランキングシステムを活用していると述べた。 検索結果の品質向上のためにAI技術を積極的に取り入れているとも語り、初期のスペルミス訂正機能からスタートし、現在では大規模言語モデルを活用して複雑なクエリにも対応しているという。特に、「AIによる概要(AI Overview)」については、検索に特化したAIモデルを使用することで、ハルシネーション(幻覚)を防いでいる。ここで指す、検索特化のAIについては、検索のコアランキングシステムを統合したカスタマイズ済みのGeminiを採用し、検索に特化した学習が行なわれている。 ナヤック氏は、「生成AIによる概要は、Webの検索結果とコラボレーションすることで、ユーザーに信頼性の高い情報を提供できる」と述べた。これにより、ユーザーは複雑な質問を直接入力でき、より満足度の高い検索体験が可能になる。また、若い世代、特に18歳から24歳のユーザーがこの機能を積極的に利用しているとした。 安全性と信頼性についても触れ、検索品質評価者向けガイドラインに基づき、信頼できる情報源からの結果を提供していると説明した。 また、検索結果の質を保つためにスパム対策を継続して行なっている。スパムとは、検索エンジンの結果を操作しようとする不正な行為や内容を指し、これによりユーザーは信頼性の低い情報や無関係な結果に惑わされることがあるという。 Google 検索の初期段階から問題として存在しており、早い時期から攻撃が仕掛けられていたが、Googleはこれに対抗するための対策を進めてきた。現在では、スパムを仕掛ける手法も洗練されてきているが、AI技術を活用してこれに対応。現在では検索結果の99%がスパムの影響を受けていない状態を実現している。
Impress Watch,佐々木 翼