「低成長とインフレの時代」という必然――ウクライナ侵攻・世界経済激変のシナリオ
ロシア産エネルギー供給途絶でロシア経済はどうなるか
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国際商品におけるロシアの存在を確認しておこう。20年の原油輸出市場におけるロシアの比率は12.3%と、サウジアラビアの16.6%に次いで2位。天然ガスの輸出市場ではロシアの比率は19.1%と、米国の11.1%を大きく上回る1位である。 原油についてはロシアの輸出分をまかなうだけの備蓄が世界全体としてはあるが、問題は備蓄の難しい天然ガス。つまり、天然ガスは気体のままでは大容量の備蓄設備が必要で、液化するには超低温での液体保管が必要となる。ドイツなど欧州では、ロシアからならガスパイプラインで運んで来られるが、米国からとなるといったん液化して、専用船で運び、陸揚げしたうえで気化するという手順を踏まざるを得ない。 対ロ依存を下げるといっても、今日明日の間には合わないのである。この点で何をやっているのかと思えるのが、 グレタ・トゥーンベリ 氏に代表される環境活動家である。「ロシアからガスを買うな」とプラカードを掲げるのはよいとして、脱原発と脱石炭の辻褄合わせの帰結が ドイツに代表される天然ガスのロシア傾斜 だった点について、どう総括しているのだろうか。
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滝田洋一