南西糖業が操業開始 当初計画比 9日遅れも例年並み 買い入れ糖度は低迷 鹿児島県徳之島
【鹿児島県・徳之島】徳之島の南西糖業㈱(神﨑俊社長)は20日、2024/25年期産サトウキビの搬入を受け入れ、今期操業を開始した。輸送運賃交渉を巡り当初計画からは9日遅れたが、前期比で1日早く例年並み。初日は伊仙工場366㌧、徳和瀬工場343㌧の計709㌧を搬入し、平均買い入れ糖度は昨年同期比2・38度低い12・25度と極めて低いスタートとなった。年内搬入は25日まで。 同島の今期キビ生産見込み量は16万2068㌧(前期実績比2995㌧減)、うち同社の処理見込み量は16万300㌧。例年より約10日間早め、今月11日から原料キビの搬入・操業開始を計画したが、奄美群島きび輸送事業協同組合・徳之島地区17事業者との運賃交渉が難航。17日の直接交渉で運賃面では妥結したが、輸送組合と生産者組織代表らとの別の懸案が浮上し19日夕まで水面下で折衝。搬入開始が流動視され、天候不良も重なったことで収穫作業の着手が遅れ、初日の搬入量が709㌧と異例のスロースタートとなった。 同社の2工場は25日までキビの搬入を受け入れ、年明けは1月9日から再開。2月に春植え推進期間(8日間搬入休止)を挟み、3月末頃の搬入終了を目指す。 3町別の生産見込み量(11月1日現在)は▽徳之島町4万9400㌧(前期実績比1150㌧減)▽天城町6万1900㌧(同969㌧減)▽伊仙町5万768㌧(同876㌧減)―の計16万2068㌧。 作況は「台風などの気象被害もなく、生育環境は平年並みに推移。10月から11月にかけて降水量が多く高温、多雨、日照不足で推移して登熟が遅れ、買い入れ糖度は極めて低い水準でのスタートになった」(同社農務部)という。