ビジネスリーダーに知ってほしい「すばらしいスピーチ」に必要なこと
米国人は4年に一度、両政党の全国党大会においてスピーカーの演説に接する機会がある。このような演説の目的は、説得することよりも、それぞれの党大会から出陣する出席者を奮い立たせ、候補者のために力を結集させることにある。 スピーチの中には、本当に恐ろしいものもあれば、喜びと高揚を感じさせるものもある。いずれにせよ、発言したい数多くの内容を、凝縮された時間の中で話すというスピーチは、話す言葉が持つチカラの大きさを物語っていると言えよう。 スピーチライターから、ビジネスリーダーを対象としたコーチング業界へと転身した私は、多くの女性や男性のメッセージを磨くお手伝いをしてきた。本稿では、私が主に試行錯誤を通して学んだ、すばらしいスピーチをするために心がけるべきポイントをいくつか紹介しよう。 ■聴衆を知る 聴衆はあなたの話を聞きたがっている。聴衆があなたに何を期待しているかを理解し、彼らのニーズに響くように発言を調整しよう。 ■自分の限界を認める 多くの場合、リーダーが話すべきこととは、嫌でも言わなければならないことばかりである。つまり、今置かれている状況は厳しく、問題があるということを話さなければならない。一方で、リーダーが達成できることは限られている。自分にできることと、組織がやらなければならないことを区別して認識しないのは、トラブルの元だ。人々はただ聞き流してしまうだろう。 ■反対意見に対処する 誰もが、調和と喜びに満ちた高揚感のあるスピーチをしたいものだ。残念ながら、人生はそのように上手くはいかない。リーダーは、プラス面とマイナス面を挙げながら、現実的な絵を描く必要がある。リーダーがやらなければならないことは、組織がやりたいことと相反する可能性がある。その決断に正直になり、進むべき道を定めるのがリーダーの責任である。 ■物語を語る ストーリーを通して自分をさらけ出そう。組織の中で積極的に貢献している個人の例を挙げよう。どんなリーダーも1人では成功しない。どのリーダーもチームの賛同を必要としている。だからこそ、自分が描きたい物語を明確にすべきだ。