シンガポールの近未来型観光スポットを紹介!植物を見るために世界中から人が集まる画期的な植物園も
地球と共鳴する心地よい居場所を求めて、世界を旅した造園家の齊藤太一さん。 今回の旅先はシンガポール。国際空港の「ジュエル・チャンギ空港」や有名な観光スポットである植物園「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」を訪れました。 【写真でチェック】国家レベルで緑化を推進するシンガポールの観光スポットを体験 壮大な自然に圧倒されたと語る齊藤さん。近未来型の植物園や都市を体験して、どんなことを感じたのか、語っていただきました。
国家レベルで緑化を推進するシンガポール
「自然は有限である」この疑いようのない事実への危機感が高まるなか、文化、科学、哲学、アートなど、さまざまな分野が自然との関わりにフォーカスし、急激な進化が始まっています。 アーバンエコロジー、植物が人の脳に与える影響など…次々に新しい概念が誕生し、日々情報がアップデートされ、自然の重要性は今、科学的に検証される時代になりました。 こうした動きをいち早く取り入れ実現しているのがシンガポール。国家レベルで新しい自然を創造しようとしていて、街中どこへ行っても壁面緑化がなされ、桁違いの緑量を誇るガーデンシティに。
建築+グリーンではない、真のランドスケープデザイン
なかでも2012年にオープンした「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」は、植物を見るために世界中から人が集まってくるという、今までにない現象を起こした画期的な近未来型植物園です。 室内空間とは思えない壮大な山あり滝あり。雨水集水・太陽光発電・換気口の役割を兼ねた巨大オブジェのような垂直庭園の木立。高山植物を展示した“冷室”では、温暖化が進んだ将来の利用価値を模索させられたり…。都市の緑の未来を想像させる風景。 これはもう建築ではなく、ランドスケープデザインです。 大抵のことには驚かない僕ですが、壮大な大自然を目の前にしたときと同じくらい感動しました。
自然こそいちばんのラグジュアリー
100年後の東京はこうなっていてほしいと切に願います。常に“よりよい環境”を求めて移動してきた動物。人類という動物が今求めているよりよい環境は、自然=植物。グリーンは嗜好品なんかではなく、人類にとって命に関わる最も重要な必需品です。そろそろ、自然こそいちばんのラグジュアリー(豊かさ)だという価値観を浸透させるべきとき。 自然と寄り添う生活は、お金の使い方や思考回路を少し変えれば実現できる。 豊かでクリエイティブな都会暮らし。そのヒントが、シンガポールにありました。