AIとPCは「道具から寄り添ってくれるエージェントに変わる」【Lenovo Tech World Japan ’24レポート】
レノボ・ジャパンによる年次イベント「Lenovo Tech World Japan ’24」が11月26日に開催され、同社のAI活用の将来像と、それによって実現される世界についてセッションや展示が行われました。 AIとPCは「道具から寄り添ってくれるエージェントに変わる」【Lenovo Tech World Japan ’24レポート】 当日のキーノートから、ビジネスパーソンがAIとつき合っていくうえで知っておきたいトピックをお届けします。
AIが普及するための「5段階のステップ」
レノボ・ジャパン合同会社代表取締役社長の檜山太郎氏は、「AIは自動運転と同じ。普及にはユーザーの信用を勝ち取ることが不可欠」と話します。 これまでできなかったことが技術的に可能になったとしても、ユーザーから信用されていなければ広く利用される環境にはなりません。技術的な進化に加えて、いかにして信頼を獲得するかも重要になります。 自動運転の場合、自動化のレベルを設定して段階的に実用化を進めていますが、AIの普及にも同様の考え方が必要になると檜山氏は言います。 レベル1:限られた作業で使う段階 レベル2:特定の組織の中で、一定の問題解決に使う段階 レベル3:ユーザーそれぞれに合わせて、パーソナライズされたAIとして使う段階 レベル4:組織全体をカバーする汎用的なAIとして導入する段階 レベル5:あらゆる領域で人に伴走する段階(AGI) これまでのPCは、「パーソナルコンピューター」の名前のとおり、一人ひとりが持つパーソナルなコンピューターでした。 これからのAI時代は、コンピューター自身が進化し、みずから考えるようになります。単にパーソナルなだけでなく、「AIが活用されるコンピューティングをパーソナル化していく」という新たな意味を含むものとなります。(檜山氏)
レノボのAIアシスタント「AI Now」とは?
レノボでは、そんなAI時代を実現するためのデバイスとして、Copilot+ PCをはじめとしたAI PCを展開しています。 これらのAIデバイスを展開するにあたって大切にしているのが、一人ひとりに寄り添う「Personalize」、時間の使い方を変える「Productive」、デバイス内で保護される「Protected」の3つの要素だといいます。 そして、この3要素を実現するための新たなツールとして披露されたのが、パーソナライズされたAIアシスタント「AI Now」です。 AI Nowでは、カレンダーに登録されたスケジュールを確認したり、PCの中に保存されているドキュメントを探して内容を要約したりといったことをチャット上で行なえます。 ポイントとなるのは、これらの処理がすべてローカルで完結していること。ユーザーのPC内に保存されている情報だけに基づいて動き、それらのデータがオンラインにアップロードされることなくしっかり守られているので安心・安全に利用できます。 では、パーソナライズされたAIがさらに進化し、よりさまざまな場面で使われるようになった先にはどんな世界が待っているのでしょうか? レノボでは、それを「Personal AI Twin」と表現しています。自分と同じような存在の「ツイン」が、自分と同じように考えて日々のさまざまな作業を進めていく世界です。 たとえば、あるビジネスパーソンの朝はこんな風になるといいます。 起床。目覚ましの時刻は、AIがその日のスケジュールにセットしておいてくれる。 朝食をつくっていると、AIが夜の間に届いたメールの内容を教えてくれる。 返信が必要なメールには、返信文や必要なデータの準備もしてくれているので、内容を確認して返信。 出勤。その日の交通手段にあわせて、電車の遅れや渋滞などもAIが調べて教えてくれる。 人がこれから取ろうとする行動をAIが理解して、それをサポートしたり、代わりにやってくれたりする。そういった世界が訪れると予測しています。 それを便利だと思うのか、抵抗を感じるかは人によって違うでしょう。だからこそ段階的に準備を行ない、どのような形でAIを使うのが人々にとって最適なのかをしっかり探っていく必要があると考えています。(檜山氏)