AIとPCは「道具から寄り添ってくれるエージェントに変わる」【Lenovo Tech World Japan ’24レポート】
2025年以降のAIを占うセッション
キーノート後半で行なわれた有識者によるトークセッションでは、2025年以降に注目すべきAIの進化についてそれぞれがキーワードを挙げ、議論が交わされました。 日本マイクロソフトの佐藤久氏は、「2024年の大きな進化はパソコンにNPUが搭載されたこと」としたうえで、来年以降の注目キーワードに「Copilot +PC」を挙げます。 Copilot +PCは、ローカルに閉じた形で動くAIエージェントを搭載しています。PCが道具から自分の分身のように動くものへと変わり、今までのPCとのつき合い方とは違う世界が訪れるかもしれません。 ほかの登壇者も、個人のデータに基づいて動くAIやそれを搭載したデバイスの普及が、今後のAIの重要なあり方の1つになるとの見解を示しました。 レノボ・ジャパン副社長の安田稔氏は、「パーソナライゼーション」をキーワードとして挙げます。 生成AIで何が変わったかというと、時間の使い方です。さまざまな業務で効率が上がったと思う反面、まだまだ改善の余地があるとも感じます。 もっとパーソナル化していけるのではないかと考えています。 エヌビディアの井﨑武士氏も同様の概念を示すキーワードとして「AIエージェント」を挙げ、「自分のデータを学んでいる、パーソナライズされたAIエージェントが必要だ」と話しました。 そして、パーソナライズされたAIを実現するためには、AIがユーザーについて理解するためのデータが不可欠です。佐藤氏は「データをどこに置くかも重要になる」と話し、そのあり方を次のように予測しました。 今後は、「ChatGPTのようなパブリックなデータでつくられたAI」「企業の中に存在するデータだけでつくったAI」「個人のデータを集約してつくったパーソナルなAI」の3つが連携していくようになると考えています。 ChatGPTが登場して2年、仕事や日常生活でAIの助けを借りる機会は増えましたが、まだまだ物足りなさを感じることも多いかもしれません。 それを解決してくれる鍵となるのが、「ローカル環境で動く」「パーソナライズされた」AIです。その登場により、これまで以上にユーザーに寄り添った形で、AIにサポートしてもらえる世界が実現していきそうです。 Source: レノボ
酒井麻里子